ソフトバンク孫氏、10年以内のASI実現を予測
ソフトバンクグループの創業者兼CEOである孫正義氏が、人工超知能(ASI)が10年以内に実現する可能性があると主張した。この発言は、2023年6月21日に東京で開催されたソフトバンクの年次株主総会で行われた。
孫氏は、AIの進化について具体的な予測を示した。2030年までにAIは人間の1~10倍の知能を持つ可能性があり、2035年までには人間の知能の1万倍に達する可能性があるとしている。
さらに、孫氏は汎用人工知能(AGI)とASIを明確に区別した。AGIは人間の「天才」に相当し、平均的な人間の最大10倍の能力を持つ可能性があるという。一方、ASIは人間の潜在能力を1万倍以上超える能力を持つと説明した。
この予測は、OpenAIの元主任科学者イリヤ・スツケヴァー氏らが設立したSafe Superintelligence Inc.(SSI)の目標と一致している。SSIは安全性と機能を両立させた超知能AIの開発を目指している。
孫氏の発言とSSIの設立は、テクノロジー業界で超知能AIへの関心が高まっていることを示している。ソフトバンクはASIの開発を重視しているようだが、SSIは安全性の重要性を強調している。
しかし、科学界ではAGIやASIの実現可能性や能力について意見が分かれている。現在のAIシステムは特定の分野では優れているが、人間レベルの総合的な推論能力の実現にはまだ課題が残されている。
孫氏は、ASIの開発を自身の使命感や人生の目的と結びつけ、「ソフトバンクは何のために設立されたのか?孫正義は何のために生まれたのか?奇妙に聞こえるかもしれないが、私はASIを実現するために生まれてきたと思っている」と述べた。
これらの発言は、AIの将来と社会への影響について重要な問題を提起している。超知能AIの可能性は魅力的だが、雇用への影響や倫理的問題、人間の知能を大きく超える知能を生み出すリスクなどの懸念も生じている。
孫氏の10年以内のASI実現予測が的確か楽観的過ぎるかは不明だが、超知能AI開発競争が激化し、大手企業がその最前線にいることは明らかだ。この動向が今後のAI技術の発展と社会への影響を左右する可能性がある。
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