Cursor、コーディング特化モデル「Composer 2」を発表 ― 自己要約型RLでOpus 4.6超えをコスト86%減で実現 | GH Media
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Cursor、コーディング特化モデル「Composer 2」を発表 ― 自己要約型RLでOpus 4.6超えをコスト86%減で実現

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Cursor、コーディング特化モデル「Composer 2」を発表 ― 自己要約型RLでOpus 4.6超えをコスト86%減で実現

2026年3月19日、AIコーディングプラットフォーム Cursor(開発元: Anysphere、評価額293億ドル)は、独自のコーディング特化モデル 「Composer 2」 を正式に発表しました。

Composer 2 は、2025年10月の初代 Composer、2026年2月の Composer 1.5 に続く3世代目のモデルです。フロンティアレベルのコーディング性能を、大幅に低いコストで実現しています。


ベンチマーク結果

Composer 2 は主要なコーディングベンチマークで大幅なスコア向上を達成しました。

ベンチマークComposer 1Composer 1.5Composer 2Claude Opus 4.6GPT-5.4
CursorBench38.044.261.358.263.9 (Thinking)
Terminal-Bench 2.047.961.758.075.1
SWE-bench Multilingual65.973.7

Terminal-Bench 2.0 では Claude Opus 4.6(58.0)を上回る61.7 を記録。一方で GPT-5.4(75.1)にはまだ差があり、業界全体でのモデル競争が続いています。

なお、ベンチマークスコアは2026年3月18日時点の Cursor トラフィックのスナップショットに基づき、Harbor 評価フレームワークを使用して計測されています。


技術的ブレークスルー:自己要約(Self-Summarization)

Composer 2 の最大の技術革新は、Compaction-in-the-Loop RL(自己要約型強化学習) と呼ばれる新しい学習手法です。

従来の課題

AIエージェントの処理履歴(トラジェクトリ)は、モデルのコンテキストウィンドウを超える速度で膨張しています。従来のアプローチでは、以下の方法でこの問題に対処していました。

  • プロンプトによる要約 — 別のモデルやプロンプトで中間コンテキストを圧縮
  • スライディングウィンドウ — 古いコンテキストを単純に破棄

いずれも 重要な情報の喪失 という共通の弱点を抱えていました。

Composer 2 のアプローチ

Composer 2 は、要約プロセス自体を RL の学習ループに組み込んでいます。

  1. 学習中: 生成がトークン長の閾値に達すると、モデル自身がコンテキストを約 1,000トークン に圧縮(従来手法の5,000トークン以上から大幅削減)
  2. 報酬設計: 最終的な報酬がチェーン全体(エージェント応答+自己要約)に適用され、良い要約は強化、情報を失った要約は抑制
  3. 結果: 数百ステップの長期タスクでも重要情報を維持しながら処理を継続

Cursor の研究によると、自己要約により 圧縮エラーが50%削減 されたとのことです。


アーキテクチャと学習

Composer 2 は Mixture-of-Experts(MoE) アーキテクチャを採用したコーディング特化モデルです。

  • 継続事前学習: Composer 2 では初めて独自の継続事前学習を実施し、RL のベースモデルを強化
  • 強化学習: 実際の開発環境内でセマンティック検索、ファイル編集、ターミナルコマンドなどの開発ツールを使いながら学習
  • 長期タスク対応: 数百の連続アクションを必要とする複雑なコーディングタスクを解決可能

価格設定

Composer 2 は前世代から約86%のコスト削減を実現しています。

モデル入力 (per 1M tokens)出力 (per 1M tokens)
Composer 1.5$3.50$17.50
Composer 2$0.50$2.50
Composer 2(高速版)$1.50$7.50

フロンティアレベルの性能をこの価格帯で提供するのは、OpenAI や Anthropic の汎用モデルに対する大きな差別化要因です。


新インターフェースのアルファ版

Composer 2 のリリースと同時に、Cursor は新しいインターフェースのアーリーアルファ版も公開しています。これは2025年10月の Cursor 2.0 で導入されたエージェントファーストのUIをさらに進化させたもので、複数エージェントの並列実行やバックグラウンドエージェントとの連携がより直感的になっています。


まとめ

Composer 2 は、コーディング特化モデルが汎用LLMに匹敵、あるいは凌駕できることを示した重要なマイルストーンです。

自己要約型RLという新しい学習パラダイムは、長期コンテキスト処理というAIエージェント共通の課題に対する有力なアプローチであり、コーディング領域に限らず今後の AI 開発全般に影響を与える可能性があります。

Composer 2 は本日より Cursor エディタ内で利用可能です。


参照元:

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記事を書いた人
照屋 塁
照屋 塁

ITベンチャー創業の元社会人野球選手。変化の早い世の中の波に乗り、世の中に価値あるサービスを出していきたい!と思い会社を設立

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