「リスティング広告を始めたいけど、いくらかかるのかわからない」——中小企業の経営者・マーケ担当者から最も多く寄せられる質問です。結論からお伝えすると、2026年時点で中小企業が広告運用に投じている月額予算は「10万〜50万円」が最も多いゾーンで、ここに運用代行費用として広告費の15〜20%が加わります。
本記事では、リスティング広告の費用構造を早見表で整理し、月額予算の決め方・運用代行費用の相場・業界別のクリック単価(CPC)まで、予算計画に必要な情報を網羅的に解説します。
早見表|リスティング広告の費用相場が3秒でわかる
| 項目 | 費用相場 | 内訳・備考 |
|---|---|---|
| 月額広告費(中小企業) | 10万〜50万円 | 最も多いゾーン |
| 月額広告費(スタートアップ) | 5万〜15万円 | テスト運用期 |
| 月額広告費(中堅以上) | 50万〜300万円 | 本格運用期 |
| 運用代行費(定額制) | 月 5万〜15万円 | 広告費に関係なく固定 |
| 運用代行費(料率制) | 広告費の 15〜20% | 広告費に連動 |
| 初期費用(代行依頼時) | 5万〜30万円 | アカウント設計・入稿 |
| 最低出稿期間 | 3〜6ヶ月 | 多くの代理店で設定 |
最も多いパターン: 月額広告費 30万円 + 運用代行費 20%(6万円)= 月36万円前後
リスティング広告の費用構造
リスティング広告の総コストは「広告費(実費)」と「運用代行費」の2つから構成されます。
1. 広告費(実費)— クリック課金制
リスティング広告は クリック課金制(CPC: Cost Per Click) が基本です。ユーザーが広告をクリックしたときにのみ費用が発生します。
月額広告費 = 平均CPC × 想定クリック数
例えば、CPC 300円 × 月1,000クリック = 月額30万円となります。
2. 運用代行費 — 代理店・フリーランスに依頼する場合
広告運用を外部に委託する場合、運用代行費が別途発生します。主に以下の2パターンがあります。
| 料金体系 | 特徴 | 向いている企業 |
|---|---|---|
| 料率制(広告費の%) | 広告費に連動。15〜20% が相場 | 広告費が変動する企業 |
| 定額制(固定月額) | 広告費に関係なく固定 | 広告費が少ない企業 |
| 成果報酬制 | CV数・売上に連動 | 成果が明確な商材 |
3. 初期費用(アカウント設計費)
代行依頼する場合、初月には以下の初期費用が発生することが多いです。
- アカウント設計・キャンペーン構築: 5万〜20万円
- 広告クリエイティブ制作: 1素材あたり 1万〜5万円
- LP(ランディングページ)制作: 10万〜80万円
月額広告費の決め方|3つのアプローチ
予算を決める方法は主に3つあります。
アプローチ1: 売上目標から逆算する
最も推奨される方法です。
月額広告費 = 目標CV数 × 目標CPA
例: 月10件の問い合わせを目標、目標CPA(顧客獲得単価)30,000円 → 月額広告費 30万円
CPAの目安:
- BtoC商材: 3,000〜10,000円
- BtoBリード: 20,000〜50,000円
- 不動産・医療: 50,000〜150,000円
アプローチ2: 競合の平均出稿額から推定する
業界の相場を基準にする方法。Googleキーワードプランナーで競合の推定出稿額を確認できます。
| 業種 | 平均月額広告費の目安 |
|---|---|
| EC・通販 | 50万〜300万円 |
| 士業・コンサル | 10万〜100万円 |
| 不動産 | 30万〜200万円 |
| 人材・採用 | 30万〜200万円 |
| 飲食・美容 | 5万〜30万円 |
アプローチ3: 経営数字から許容額を決める
「売上の3〜5%を広告費に充てる」という目安です。年商1億円の企業なら、年間300万〜500万円(月25万〜42万円)が広告費の目安となります。
業界別のクリック単価(CPC)相場
リスティング広告のCPCは業界・キーワードによって大きく変動します。
| 業界 | 平均CPC | 特徴 |
|---|---|---|
| 不動産 | 300〜1,500円 | 競合多く高単価 |
| 士業(弁護士・税理士) | 500〜3,000円 | YMYL・高単価 |
| 医療・クリニック | 200〜1,500円 | 地域性により変動 |
| EC・アパレル | 50〜300円 | 商品数で変動 |
| BtoB SaaS | 300〜2,000円 | 指名検索が安い |
| 人材・採用 | 200〜1,500円 | 職種・地域で差 |
| 飲食・美容 | 50〜500円 | 地域特化型 |
CPCを下げる3つの方法:
- 品質スコアを上げる: 関連性の高いLP・広告文で品質スコア10点中8点以上を目指す
- 除外キーワードを設定する: 無関係な検索を除外し、無駄クリックを削減
- 地域・時間帯を絞る: コンバージョンが発生する地域・時間帯に限定
運用代行を依頼するメリット・デメリット
メリット
- 運用ノウハウが不要: 社内リソースを節約できる
- 最新機能への対応: Google Ads は頻繁にアップデートされる
- 効果測定の自動化: GA4・GTM連携など専門知識が必要な設定を代行
- 改善PDCAの高速化: 経験豊富な運用者の知見を活用
デメリット
- 運用代行費がかかる: 広告費の15〜20%が追加コスト
- 改善が代理店依存になる: ノウハウが社内に蓄積されない
- コミュニケーションコスト: 月次レポート・打ち合わせが必要
社内運用 vs 代行運用の判断基準
| 条件 | おすすめ |
|---|---|
| 月額広告費が10万円以下 | 社内運用(学習目的) |
| 月額広告費が30万円以上 | 代行運用(ROI改善) |
| 広告運用の経験者がいない | 代行運用(初期設定重要) |
| 広告が事業の主力チャネル | 代行運用(専門性必須) |
広告運用代行会社の選び方
見積もり時に確認すべき7項目
- 料金体系(料率制 or 定額制 or 成果報酬制)
- 最低契約期間(3ヶ月・6ヶ月が一般的)
- 初期費用の有無
- 月次レポートの内容(何を報告するか)
- 担当者の経験(何年、何社運用経験があるか)
- 広告媒体の対応範囲(Google / Yahoo / SNS / YouTube)
- LP制作・クリエイティブ制作の対応可否
注意すべき「危険な代行会社」の特徴
- 月額広告費に対して運用代行費が極端に安い(10%未満)→ 実運用が雑
- 成果保証を謳う → 運用型広告に保証はあり得ない
- 契約時に長期縛り(12ヶ月以上)を求める → 成果が出ない場合の撤退が困難
- レポートがテンプレート形式で具体的改善策がない → 運用スキル不足
詳しくはWeb制作会社・広告代理店の選び方 ― 見積もり比較で見るべき5つのポイントをご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q. リスティング広告は最低いくらから始められますか?
A. 理論上は月5,000円からでも可能ですが、統計的に意味のあるデータを集めるには月10万円以上が現実的です。予算が少なすぎると、クリック数が不足してPDCAが回せません。まずは3ヶ月間で月10万円×3ヶ月=30万円を「学習費用」と捉えるのがおすすめです。
Q. 運用代行費は広告費の何%が適正ですか?
A. 広告費の15〜20%が業界標準です。10%未満は運用品質に懸念があり、25%以上は中小企業には割高です。ただし、広告費が月10万円未満の場合は料率制だと代行会社の採算が合わないため、定額制(月5万〜10万円)が一般的です。
Q. Google広告とYahoo広告、どちらを始めるべきですか?
A. まずGoogle広告からがおすすめです。理由は以下の通り。
- 日本の検索シェア: Google 約75%、Yahoo 約25%
- 機能の豊富さ: Google Ads の方が最新機能が早く提供される
- 学習リソース: Google の方が情報が多く、運用ノウハウが蓄積しやすい
Yahoo広告は、Google広告で成果が出た後の「追加チャネル」として検討するのが効率的です。
Q. 自社で運用するのとプロに任せるの、どっちがコスパ良いですか?
A. 月額広告費30万円以上なら代行依頼の方がROIが高いケースが多いです。運用代行費(6万円/月)を払っても、プロの運用でCPAが30%改善すれば余裕で元が取れます。一方、月10万円以下なら社内運用の方がコスパは良いですが、学習コストを計算に入れる必要があります。
Q. 広告を止めても効果は残りますか?
A. リスティング広告の効果は広告停止と同時にゼロになります。これは広告運用の最大のデメリットです。長期的な資産を築きたい場合は、広告運用と並行してSEO対策を進めることをおすすめします。詳しくは中小企業のWeb集客戦略 ― 広告・SEO・SNS、どれから始める?をご覧ください。
Q. リスティング広告の成果はどれくらいで出ますか?
A. 最短2週間〜1ヶ月で初期データが集まり、3ヶ月で最適化のサイクルが回り始めます。ただし、本格的に成果(目標CPA達成)が見えてくるのは3〜6ヶ月後が一般的です。初月で判断せず、最低3ヶ月は継続する前提で予算を確保しましょう。
まとめ:予算とゴールを明確にしてから始めよう
リスティング広告の費用は、「何のための広告か」「どんな成果を期待するか」によって適切な投資額が変わります。
まず自社の目的を明確にしましょう。
- テスト運用で効果を見極めたい → 月10万〜15万円 × 3ヶ月
- 本格的にCV数を増やしたい → 月30万〜50万円 + 代行費
- 地域密着型で堅実に回したい → 月5万〜15万円 + 定額運用代行
重要なのは、予算の規模ではなく、継続的にPDCAを回せるかどうかです。3ヶ月単位で振り返り、ROIを見ながら予算調整していく運用が、失敗しないリスティング広告の第一歩です。
あわせて読みたい
- リスティング広告の始め方 ― 月5万円から成果を出す設定ガイド — 具体的な設定手順を解説
- 中小企業のWeb集客戦略 ― 広告・SEO・SNS、どれから始める? — 広告以外の選択肢も含めた全体戦略
- ホームページの問い合わせが来ない原因と改善策10選 — 広告の受け皿となるLP・HP改善
30分無料相談 — あなたの広告予算の最適解をお伝えします
「うちの事業規模で、どれくらいの広告費が適正なんだろう?」——そう思われた方は、30分無料相談をご利用ください。
- 現状のヒアリング
- 目標CPAから逆算した広告予算の提示
- 代行 or 社内運用の判断サポート
- 代理店選びのポイント共有
売り込み一切なし。広告運用を始める前の情報収集として、お気軽にご活用ください。