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App Review Guidelines改定 2.5.19の隠し機能禁止

目次 · 7項目

App Storeで公開している業務アプリや自社サービスのアプリでは、新機能を審査の後でサーバーの設定から有効にする、社内向けの検証画面をアプリに残しておく、といった作り方をしていることがあります。2026年10月16日のApp Review Guidelinesの改定で、こうした作り方を見直す必要が出てきました。

Appleはこの日、ガイドラインの改定を告知し、新しい項目として2.5.19を加えました。

2.5.19 Don’t include any hidden, dormant, or undocumented features in your app; your app’s functionality should be clear to end users and App Review.

この記事では、改定の告知2本とガイドラインの原文をもとに、アプリの開発・保守の担当者が確かめることを整理します。

改定の主な点

告知が挙げた変更のうち、主なものは次のとおりです。

  • 2.5.19(新設):隠された機能、眠っている機能、説明のない機能をアプリに入れない。これまで2.3.1にあった方針を明確にしたもの
  • 1.2:利用者が作る・生成する・投稿する内容を扱うアプリの対象を明確にし、適切な安全策を用意しない場合の行動規範(Developer Code of Conduct)の違反の可能性を加えた
  • 2.3.14(新設):App Storeの「クリエイティブアセット」についての項目
  • 3.1.1(a):音楽のストリーミングの資格の項目を、外部の購入リンクの資格の項目にまとめた
  • 5:人身取引や子どもの搾取を助けるアプリは、App Storeから削除され、App Store以外の配布(代替の配布)もできなくなると明確にした

このほか、提出前の注意(Before You Submit)と提出後の注意(After You Submit)に、関連する資料へのリンクが加わりました。

同じ日のもう1本の告知は、改定の背景として、審査では目的を偽り、承認後に有害な機能を出す手口(いわゆる「bait-and-switch」)を挙げています。ガイドラインの最終更新日は「October 16, 2026」です。翻訳版は1か月以内に公開されるとしています。2026年10月27日の時点では、日本語版の最終更新日は2026年6月8日のままで、今回の改定はまだ反映されていません。

2.5.19が求めること

2.5.19の全文は次のとおりです。

2.5.19 Don’t include any hidden, dormant, or undocumented features in your app; your app’s functionality should be clear to end users and App Review. Attempting to hide undocumented features in your app binary, such as through code obfuscation or other methods, is grounds for removal of your app from the App Store and termination of your developer account.

アプリの機能は、利用者と審査の担当者の両方にとって明らかでなければならず、難読化などで説明のない機能をバイナリに隠そうとすることは、アプリの削除と開発者アカウントの停止の理由になる、という内容です。

告知は2.5.19について、審査のときに何をするアプリかを偽り、承認後に変える行為の禁止を明確にしたものだと説明しています。例として「審査に出した版には入っていなかった機能を追加する」ことを挙げています。

関連する項目も確認しておきます。

  • 2.3.1(a):新しい機能や変更は、App Store Connectの審査用のメモ(Notes for Review)に具体的に書き、審査で使える状態にする。一般的な説明は却下される
  • 2.5.2:アプリの機能を追加・変更するコードをダウンロードして実行してはならない
  • Before You Submit:分かりにくい機能やアプリ内課金は、審査用のメモで詳しく説明する。アカウントが必要なアプリには、デモ用のアカウントか、すべての機能を使えるデモのモードを用意する

App Review Guidelinesの2.5.19と関連する項目の関係を示した図。2.5.19は隠された機能・眠っている機能・説明のない機能を禁じ、難読化で隠すことはアプリの削除と開発者アカウントの停止の理由になる。2.3.1(a)は新しい機能を審査用のメモに具体的に書くこと、2.5.2は機能を変えるコードのダウンロードと実行の禁止、Before You Submitはデモ用のアカウントの用意を求める

見直したい作り方

ガイドラインは、フィーチャーフラグ(設定で機能のオン・オフを切り替える仕組み)やリモートの設定そのものについて、可否を直接は書いていません。以下は、2.5.19と関連する項目の文言から、確認しておきたい作り方を編集部が整理したものです。

  • 審査の後にサーバーの設定で新機能を有効にする:審査に出した版で、その機能を審査の担当者が確かめられるか。審査用のメモに機能と有効にする方法を書いているか
  • 社内向けの検証画面やデバッグのメニュー:本番の版に残っていないか。残す必要があるなら、利用者と審査の担当者に分かる形になっているか
  • 特定の利用者だけに見える機能(法人の契約者だけ、管理者だけ、など):審査用のデモのアカウントで、その機能まで確かめられるか
  • 難読化:ソースコードを守るための難読化をしている場合、それが「機能を隠す」目的と受け取られない形になっているか

段階的な公開の仕組み自体は、品質を保つための方法の1つです。フィーチャーフラグの設計についてはCloudflare Flagship × OpenFeature で組むフィーチャーフラグ運用で解説しています。2.5.19の改定を受けて、編集部としては、フラグで隠している機能を一覧にし、審査用のメモにどう書くかを、外注先とあらかじめ決めておくことを提案します。

AIで画像や文章を作るアプリ(1.2)

1.2は、利用者が内容を作る・生成する・投稿するアプリの項目です。改定後の本文は、対象として「social media, user-generated content platforms, and AI content creation apps」を挙げ、問題の例に同意のない性的な画像(nonconsensual intimate imagery)を加えています。こうしたアプリには、次の仕組みが必要です。

  • 好ましくない内容が投稿されないようにする絞り込み
  • 不快な内容を報告する仕組みと、迅速な対応
  • 迷惑な利用者をブロックする機能
  • 利用者が連絡できる連絡先の公開

告知は、AIのツールで生成した画像も、防いで取り除くべき内容に含まれると明確にしたとしています。社内向けの資料作成や、顧客向けの画像生成など、生成AIの機能をアプリに組み込んでいる場合は、上の4つが揃っているかを確認します。

ストアに載せる画像(2.3.14)

2.3.14は、App Storeの製品ページの見出しや検索結果などに使う「クリエイティブアセット」の項目です。アセットはアプリの内容・機能やブランドに関係し、通常のメタデータの基準に従い、全年齢に適したものである必要があります。次のものは含めないよう求めています。

  • 不適切な内容
  • 誤解させる意図での他のアプリへの言及
  • 確かめられない製品の主張
  • 具体的な価格や割引の価格の情報

ストアの画像を制作会社やデザイナーに頼んでいる場合は、「業界No.1」のような確かめられない主張や、セールの価格を画像に入れていないかを、依頼の段階で伝えておくと手戻りを減らせます。

確認した範囲

2026年10月26日に、Apple Developerのニュース「Updated App Review Guidelines are now available」「Strengthening App Review Guidelines against nonconsensual intimate imagery and bait-and-switch apps」(いずれも2026年10月16日)と、App Review Guidelinesの本文(最終更新日 October 16, 2026)を確認し、10月27日に同じ資料と日本語版(最終更新日 2026年6月8日)を確かめ直しました(資料調査)。実際のアプリの審査への提出、審査での判断の事例、フィーチャーフラグを使ったアプリの審査の結果は確認していません。

アプリの審査への備えや、機能の出し分けの設計の見直しは、開発・AI・自動化のご相談からお問い合わせください。アプリの外注の進め方は業務用スマホアプリを外注する前にでも解説しています。

参考資料

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鈴木 翔

技術の可能性に魅了され、学生時代からプログラミングとデジタルアートの分野に深い関心を持つ

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