「9月になったら社内のAndroidアプリが使えなくなるのか」。この判断には、利用する国、アプリの配布経路、端末の管理方法が必要です。日本国内の全アプリが2026年9月に一斉停止する、という案内ではありません。
2026年9月17日訂正:旧版の「2026年9月完全義務化」「全アプリが対象」「MDM経由でも一律に動作しなくなる」という説明を、公式の適用範囲に合わせて修正しました。確認できない申請期間や自社の移行パッケージの記載も削除しました。
本記事は同日に確認したGoogleの公式資料に基づく整理です。実際のAndroid端末、配布用コンソール、MDMでの動作検証は行っていません。
9月30日に始まる範囲を確認する
Androidの公式案内では、2026年9月30日からブラジル、インドネシア、シンガポール、タイの対象ストアで保護が始まります。対象端末はAndroid 7以降の認定デバイスです。世界への展開は2027年以降とされています。
公式ガイドに列挙されている初期の対象ストアは、Google Play、HONOR App Market、OPPO App Market、Galaxy Store、Palm Store、V-Appstore、GetAppsです。対象地域・経路は今後拡張されるため、導入や配布を変更する時点で再確認してください。
企業アプリでは、開発拠点や本社所在地だけでなく、実際の利用者がいる国とアプリの配布方法を調べるのが先です。日本の会社でも、対象国の現地法人で使うアプリは個別に確認する必要があります。

図は公式案内をもとにGH Mediaが作成した判断用の整理です。端末で確認した結果ではありません。日付だけで判断せず、配布条件を確認するために使ってください。
社内アプリは「どこから、どの端末へ」で分ける
「社内用」「MDMを使っている」という呼び方だけでは適用を判断できません。公式FAQには、管理対象端末に、組織のストアから配布するアプリは認証要件を完了する必要がないと説明されています。ただし、別の経路や非管理端末に配布する場合に備えて、登録しておくことを推奨しています。
| 配布・利用の状況 | 先に確認すること |
|---|---|
| 管理対象端末へ組織のストアから配布 | その端末と配布がFAQの例外条件を満たしているか |
| 自社サイトやファイル共有からAPKを配布 | 利用地域、端末の認定状態、今後の適用段階、登録状態 |
| Google PlayとPlay外配布を併用 | 同じ開発者アカウントで扱うパッケージと署名鍵の登録状態 |
| 開発・テストでADBからインストール | 開発用の確認と、一般利用者向けの配布確認を分ける |
FAQではADBを使った開発・テストのインストールも引き続き可能とされています。ADBで動いたことだけを根拠に、利用者向けの配布に問題がないとは判断しないでください。
Play Store外の配布が一律に禁止される制度でもありません。 登録済みアプリの配布や、未登録アプリを利用者が導入するための追加手順など、複数の経路が公式ガイドに説明されています。企業の通常配布を設計する際は、想定する利用者にどの操作が必要になるかを確認します。
アカウントの確認とアプリの登録を分ける
対応は本人・組織の確認だけで終わりません。公式ガイドでは、開発者アカウントとアプリのパッケージ名・署名鍵を結び付ける登録も説明されています。
- Google Playを利用している場合:既存のPlay Consoleを起点に確認します。Play外でも配布しているアプリや鍵の扱いを含め、対象の登録状態を見ます。
- Google Play外だけで配布している場合:Android Developer Consoleの案内を確認します。
申請・登録にかかる期間は、本記事では一律の日数を示しません。アカウントの状態、求められる書類、確認状況によって変わるためです。実際に表示される案内と、対応が必要な対象をもとに計画してください。
アプリ担当者が用意する棚卸し
改修や配布方式の変更を決める前に、次の情報をアプリ単位で揃えると、開発会社や管理担当者との確認が進めやすくなります。
- 利用者の所在国と端末:Androidのバージョン、認定状態、会社管理端末か個人端末か。
- 配布経路:Play、組織のストア、自社サイト、ファイル配布等。更新時にも同じ経路を使うか。
- 管理主体:アカウントを管理する組織、担当者、パッケージ名、署名鍵を管理する主体。
- 登録状態と不足事項:コンソール上で確認できた内容、追加で必要な手続き、未確認の条件。
- 配布テストの計画:検証用端末で新規インストールと更新を分け、実際に使う経路で確認する。
これは編集部が整理した確認の進め方であり、全環境で動作を保証する手順ではありません。結果を残す際は、端末・地域・配布方法・確認日も記録してください。
アプリの作り直しやPWAへの移行は、利用機能、オフライン要件、端末管理、保守の事情を含めた別の判断です。今回の制度だけを理由に、アプリの全面移行が必要と決めないことが大切です。
自社の配布条件を整理しきれない場合は、アプリの用途、対象国、配布方法、管理主体をまとめたうえで、お問い合わせフォームからご相談ください。









