Chrome Developers が Seamless PWA origin migration: Change domains without losing users を公開しました。要点は、ドメイン(オリジン)を変更しても、検索順位・ブックマーク・PWA のインストール状態・ログインセッションを失わずに移行するには、リダイレクトとマニフェスト・Service Worker・認証の連動が欠かせないという指摘です。これは PWA に限らず、あらゆるサイトのドメイン変更・統合に共通する設計課題です。
一方で受託 Web 制作の現場では、「リブランドでドメインを変えたら検索流入が半分になった」「コーポレートサイトを統合したら旧 URL がすべて 404 になった」という移行事故が後を絶ちません。受託で Web 制作を支える立場では、これは 「ドメインを変えるか」ではなく、「ユーザーと検索評価を 1 件も落とさず、運用に組み込んだ状態で移行を引き渡せるか」を設計に組み込む課題だと捉えています。これまで コーポレートサイトリニューアルガイド(GH Media) で扱った リニューアルの進め方、Core Web Vitals 改善ガイド(GH Media) で扱った 表示品質の保証、SEO 初心者ガイド(GH Media) で扱った 検索評価の基礎と接続して、本記事では 「サイト移行(オリジン移行)支援」を 受託パッケージとして整理します。
なぜ「いま」ドメイン移行が事故るのか
| 観点 | 場当たり移行(事故る) | 設計された移行(2026) |
|---|---|---|
| リダイレクト | トップだけ転送 | 全 URL を 1:1 で 301 転送 |
| SEO | 評価がリセット | 評価を旧→新へ引き継ぐ |
| PWA | 再インストール要求 | インストール状態を維持 |
| 認証 | 全員ログアウト | セッションを安全に移行 |
| 計測 | 流入が追えない | 移行前後を継続観測 |
| 成果 | 流入急落 | 流入を維持して引き渡し |
つまり 「ドメインを変えること」と「ユーザーと評価を失わないこと」は別物であり、受託でも 「全 URL を 1:1 で転送し、評価を引き継ぎ、運用に組み込んで引き渡す」ことが品質の前提になりました。これにより 「検索流入を落とさない移行」を成果物として保証できます。
受託案件で活きる 3 つの構造変化
構造 1: 「トップだけ転送」から「全 URL 1:1 転送」へ
トップページだけのリダイレクトは大量の 404 を生みます。受託では 旧 URL を棚卸しし、新 URL へ 301 で 1:1 マッピングし、検索評価とブックマークを引き継ぐ設計を提供します。
構造 2: 「移行後に祈る」から「移行前に検証」へ
本番で初めて壊れるのが最悪です。受託では ステージングでリダイレクトマップを全件テストし、移行前にリンク切れをゼロにします。
構造 3: 「一度きり」から「移行後の監視」へ
移行直後は順位が揺れます。受託では Search Console と GA4 で移行前後を継続観測し、異常を早期に検知して是正します。
受託で提供する「サイト移行(オリジン移行)支援」5 フェーズ
フェーズ 1: 現状棚卸し(1 週間)
- 旧サイトの全 URL・流入ページの洗い出し
- 被リンク・指名検索・主要キーワードの把握
- PWA / Service Worker / 認証の利用状況確認
- 計測タグ・解析環境の現状把握
フェーズ 2: 移行設計(1 週間)
- 旧→新 URL の 1:1 リダイレクトマップ作成
- 301(恒久) / 302(一時)の使い分け方針
- canonical・サイトマップ・robots の更新方針
- PWA マニフェスト・認証ドメインの移行方針
フェーズ 3: 実装・検証(2〜3 週間)
- リダイレクトルールの実装
- ステージングでのリダイレクト全件テスト
- 内部リンク・サイトマップの新ドメイン化
- 構造化データ・OGP の URL 更新
フェーズ 4: 切り替え・観測(1 週間)
- 本番切り替えとアドレス変更ツールの申請
- Search Console / GA4 での流入・順位の観測
- 404・リダイレクトチェーンの監視
フェーズ 5: 継続運用(継続)
- 順位・流入の回復状況のモニタリング
- 残存する旧リンクの是正
- リダイレクト設定の保守
受託向け技術スタック標準セット
| レイヤ | 推奨技術 | 代替 |
|---|---|---|
| リダイレクト | サーバ 301 / エッジルール | CDN リライト |
| 配信網 | CDN / エッジ | オリジン直 |
| 検索管理 | Search Console アドレス変更 | サイトマップ送信 |
| 計測 | GA4 / RUM | サーバログ解析 |
| PWA | manifest / Service Worker 更新 | 再登録フロー |
| 認証 | Cookie ドメイン / SSO 移行 | 再ログイン誘導 |
どの案件に必要か / 不要か
| 必要な案件 | 優先度が低い案件 |
|---|---|
| リブランドでドメインを変更する | URL を変えない単純更新 |
| 複数サイトを 1 ドメインに統合する | 新規立ち上げで旧資産がない |
| HTTP→HTTPS / www 統一を伴う | すでに正規化済み |
| 検索流入が事業の生命線 | 検索依存が薄い社内用 |
| PWA・会員ログインがある | 静的な情報サイト |
受託契約に書く 6 つの条項
| 条項 | 内容 | 顧客が確認すべきこと |
|---|---|---|
| 対象範囲 | 移行する URL 群 | 棚卸しの合意 |
| 品質目標 | 404 ゼロ / 流入維持 | 目標水準 |
| リダイレクト | 301 マッピング | マップの承認 |
| 観測期間 | 移行後の監視 | 期間と指標 |
| 引き渡し | 手順 / Runbook | 保守体制 |
| 継続運用 | 順位回復の監視 | 運用費用 |
価格モデル — サイト移行支援パッケージ
| プラン | 金額 | 対象 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 移行診断 | 25 万円〜 | 小規模 | URL 棚卸し + 移行計画 |
| 移行パッケージ | 80 万円〜 | 中規模 | 設計 + 実装 + 検証 |
| 大規模移行 | 180 万円〜 | 統合・大規模 | + 認証 / PWA 移行 + 観測 |
| Lite 保守 | 5 万円〜 / 月 | 小規模 | 404 監視 + 軽微是正 |
| Standard 保守 | 14 万円〜 / 月 | 中規模 | + 順位モニタリング + 改善提案 |
顧客側 ROI 試算(リブランド想定)
| 項目 | 既存(場当たり移行) | 設計された移行 | 差分 |
|---|---|---|---|
| 検索流入 | 移行直後に急落 | 評価を引き継ぎ維持 | 流入の維持 |
| 404 | 旧 URL が大量に死ぬ | 1:1 転送でゼロ | 機会損失の回避 |
| 会員ログイン | 全員ログアウト | セッション維持 | 離脱の回避 |
| 復旧コスト | 後追いで多大 | 事前設計で最小 | 手戻りの削減 |
| 年間効果 | — | — | 流入急落による機会損失の回避 |
移行パッケージ(80 万円〜)でも、ドメイン変更による流入急落を一度回避できれば十分に正当化できます。
ハマりやすい 5 つの落とし穴
落とし穴 1: トップページだけリダイレクトする
下層ページが全部 404 になります。全 URL を 1:1 で転送します。
落とし穴 2: リダイレクトチェーンを放置する
転送が多段になり評価が薄まります。旧→新へ一段で転送します。
落とし穴 3: サイトマップと canonical を旧のままにする
検索エンジンが混乱します。新ドメインで再送信します。
落とし穴 4: 認証 Cookie のドメインを見落とす
全員がログアウトします。Cookie / SSO の移行を設計します。
落とし穴 5: 移行後に観測しない
流入急落に気づけません。Search Console と GA4 で監視します。
90 日アクションプラン
| 週 | アクション |
|---|---|
| Week 1 | URL 棚卸し + 流入・被リンクの把握 |
| Week 2 | リダイレクトマップ + 移行設計 |
| Week 3〜5 | 実装 + ステージング全件テスト |
| Week 6 | 本番切り替え + アドレス変更申請 |
| Week 7〜13 | 順位・流入の観測 + 残存リンク是正 |
まとめ — 「ドメインを変える」から「失わずに移す」へ
ドメイン変更やサイト統合は、設計を誤れば検索流入もログインも一夜で失います。受託で Web 制作を支える立場では、全 URL を 1:1 で転送し、評価を引き継ぎ、移行後を監視して引き渡す 「サイト移行(オリジン移行)支援」が、ユーザーと検索評価を 1 件も落とさず移行を届ける新しい主力サービスです。
弊社では移行診断 / 移行パッケージ / 大規模移行 / Lite / Standard の各段階で本パッケージを提供しています。「リブランドでドメインを変えたい」「複数サイトを統合したい」「移行で流入を落としたくない」というご相談は お問い合わせフォーム からお気軽にどうぞ。