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「アジャイルで作ります」と言われたら — 発注者が知っておく開発の進め方の選び方

目次 · 5項目

「開発会社との打ち合わせで『今回はアジャイルで進めます』と言われたんですが、それって我々にとって良い話なんでしょうか。見積もりも『やってみないと分からない部分がある』と言われて、正直、予算が読めなくて不安です」——システム開発をはじめて外注する経営者から、こんな相談を受けました。開発の「進め方」には大きく2つの流派があり、どちらを選ぶかで、費用の見え方も、発注者がやるべきことも大きく変わります。ここを理解しないまま任せると、後で「話が違う」となりがちです。

進め方の名前を覚える必要はありません。大事なのは、自社の案件がどちらに向いているかを見極め、その選択に伴うリスクを発注者側でも引き受けられるようにしておくことです。本記事では、専門用語を最小限にして、その判断軸を整理します。

「全部決めてから作る」か「見ながら育てる」か

2つの進め方は、ざっくり次のように違います。

進め方特徴向いている案件
ウォーターフォール最初に仕様を全部固め、その通りに作り切る作るものが明確で、途中で変えたくないもの
アジャイル動くものを小さく作り、見ながら優先順位を調整して育てる何が正解か走りながら固めたいもの

ウォーターフォールは、家を建てる前に設計図を完全に引くやり方です。最初に決めるので総額が読みやすい反面、作り始めてから「やっぱり変えたい」が高くつきます。アジャイルは、まず住める最小限を建てて、住みながら増築していくイメージです。変化に強い反面、「どこで完成とするか」を発注者が決めないと、いつまでも終わりません。どちらが優れているという話ではなく、案件の性質と、発注者側の関わり方の違いです。

「予算が読めない」不安の正体

冒頭の相談にあった「予算が読めない」という不安は、アジャイルにつきものです。ただ、これは「いくらかかるか分からない」という意味ではなく、「決めた予算の中で、どこまで作るかを走りながら選ぶ」という考え方の違いから来ています。たとえば「300万円の予算で、この3か月で優先度の高い機能から作る」と決めておけば、総額は固定したまま、中身を柔軟に調整できます。

ここで発注者に求められるのは、「あれもこれも」と機能を足し続けないことです。予算内で最大の成果を出すには、優先順位をつけて捨てる判断が要ります。この「作りすぎを避ける」考え方は過剰な作り込みを避けるスコープ設計で詳しく扱っています。逆に、要件が最初から固まっていて変える予定がないなら、ウォーターフォールで総額を確定させたほうが安心です。費用相場や契約形態の基礎はシステム開発の発注ガイドにまとめています。

AIで速くなった今、進め方はどう変わったか

AIがコードを書く時代になり、「動くものを早く見せる」こと自体は格段に速くなりました。プロトタイプが数日で出てくるため、アジャイル的に「見ながら決める」進め方と相性がよくなっています。一方で、速く作れることには落とし穴もあります。中身を理解しないまま機能が積み上がると、後から「誰も直せない」状態に陥りやすいのです。

だからこそ、進め方がアジャイルであっても、発注者は「作ったものの中身が説明されるか」を確認し続ける必要があります。開発会社が要所でレビューしているか、その指摘が形だけになっていないかは効くコードレビューの見分け方を参考にしてください。速さに任せて中身がブラックボックス化すると、開発会社と連絡が取れなくなったときのベンダーロックインのリスクも高まります。

「どちらか」より「自社が何をするか」

進め方の選択は、開発会社に丸投げする話ではありません。ウォーターフォールなら「最初に仕様を固め切る責任」が、アジャイルなら「走りながら優先順位を決める責任」が、発注者側にも生じます。開発会社から進め方を提案されたら、「その進め方だと、我々は何を・いつ判断すればいいですか」と聞き返してみてください。ここに具体的に答えられる会社は、進め方を理解して提案しています。

「アジャイルと言われたが、予算が読めなくて不安」「要件が固まらないまま発注していいのか分からない」「作るのは速いが、中身がブラックボックスになりそうで怖い」——そうしたお悩みがあれば、グリームハブのシステム開発・DX支援へお気軽にご相談ください。案件の性質に合った進め方の選定から、発注者として何をすべきかまで、ご一緒に整理します。

Sources

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鈴木 翔

技術の可能性に魅了され、学生時代からプログラミングとデジタルアートの分野に深い関心を持つ

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