「マイドライブのトップ階層に、名前も付けずに放り込んだファイルが何百個も溜まっている」——Google ドライブを長く使っているビジネスパーソンなら、誰しも心当たりがあるのではないでしょうか。
Googleは2026年6月、この“積年の散らかり”をAIに丸ごと任せられる新機能 「ファイルを整理(Organize my files)」 を一般提供(GA: Generally Available)にしました。2025年10月にベータ提供が始まっていた本機能が、いよいよ正式機能として全対象ユーザーへ展開されます。
この記事では、新機能の仕組み、利用条件、具体的な使い方、そして中堅・中小企業での活用シーンまでを分かりやすく整理します。
「ファイルを整理」とは何か
「ファイルを整理」は、Google ドライブに統合された Gemini が、整理されていないファイル群を分析し、適切なフォルダ構造へと自動で振り分けてくれる機能です。
従来、Drive の整理は「自分で新しいフォルダを作り、1つずつドラッグ&ドロップで移動する」という地道な手作業が基本でした。本機能では、Gemini が次の3つの観点からファイルを読み解き、整理プランを提案します。
- ファイルの内容(中身のテキストや文脈)
- あなた自身の整理パターン(普段どのようにフォルダを分けているか)
- 一般的な整理のベストプラクティス
提案内容は「既存フォルダへの移動」だけでなく「新しいフォルダの作成」まで含まれます。ユーザーは提案された整理プランを確認し、納得したものだけを適用すればよいため、AIが勝手にすべてを動かしてしまう心配はありません。

どのように動くのか
「ファイルを整理」は、Drive 上で開く Gemini サイドパネルから利用します。大まかな流れは以下の通りです。
- Google ドライブのサイドパネルから Gemini を開く
- 「マイドライブを整理して」といった指示を出す(または専用のエントリーポイントから起動)
- Gemini が対象ファイルを分析し、フォルダ構成の提案を生成
- 提案された移動・フォルダ作成の内容をユーザーが確認
- 承認すると、ファイルが一括で整理される
この「ファイルを整理」は、2025年7月から段階的に提供されてきた 自然言語によるファイル移動・フォルダ作成 の延長線上にある機能です。すでに「このファイルを◯◯フォルダに移動して」「新しいフォルダを作って」といった単発の指示は可能でしたが、今回のGAでは マイドライブ全体を俯瞰して一括整理する という、よりスケールの大きい運用が正式に解禁された形です。
Drive 上のAI活用全般については、Google Workspace の Gemini 活用ガイドもあわせて参照すると理解が深まります。
利用条件と対応ファイル
「ファイルを整理」を使うには、いくつかの前提条件があります。
対応プランと前提設定
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対応プラン | 対象の Google Workspace プラン、および Google AI プラン |
| 必須設定 | Workspace の スマート機能(Smart features) が有効になっていること |
| 提供形態 | 段階的ロールアウト(GA) |
| 期間限定特典 | 2026年7月15日まで、利用上限が緩和され、より多くのファイルを試せる |
対象となるファイル形式
対象となるファイル形式は幅広く、以下が含まれます。
- Google ドキュメント / スプレッドシート / スライド
- Microsoft Office ファイル(Word / Excel / PowerPoint)
- 画像
- 文字起こし(トランスクリプト)付きの動画
なお、スマート機能はデフォルトでオフになっている組織もあります。企業で利用する場合は、管理者が 管理コンソールでスマート機能・パーソナライゼーションの既定設定 を有効化する必要がある点に注意してください。Drive の権限・共有まわりの基礎はGoogle ドライブの共有設定ガイドで整理しています。
中堅・中小企業での活用シーン
期待できる効果
この機能は単なる「個人の片付け効率化」にとどまりません。組織的に使うことで、以下のような効果が期待できます。
- 属人化したファイル管理の解消 — 「あの資料、どこに置いたっけ?」を減らし、検索性を底上げする
- オンボーディングの効率化 — 新メンバーが過去ファイルの山を整理する際の初期コストを削減
- ナレッジの再活用 — 整理されたフォルダ構造は、後述の Drive 検索や Gemini の回答精度向上にも寄与する
運用上の注意点
一方で、運用時には注意点もあります。AIの提案はあくまで「内容と過去パターンからの推測」であり、機密度の高いプロジェクトや契約ごとの厳密なフォルダ分けなど、ビジネスルールに依存する整理は人間の最終確認が不可欠です。生成AIの出力を鵜呑みにせず確認するという姿勢は、Geminiをビジネスで使いこなすプロンプト設計でも繰り返し触れている通り、どのAI機能でも共通の原則です。
まとめ
「ファイルを整理(Organize my files)」のGAは、Google ドライブが「ファイルを置く場所」から「AIが能動的に管理してくれる場所」へと進化する象徴的なアップデートです。
- Gemini がファイル内容・整理パターン・ベストプラクティスを分析し、フォルダ整理を提案
- 対象は Workspace / Google AI プラン、スマート機能の有効化が前提
- 対応ファイルは PDF・Google 形式・Office・画像・動画と幅広い
- 2026年7月15日まで は利用上限が緩和される期間限定特典あり
まずは個人のマイドライブで小さく試し、提案の精度を確かめてから組織展開を検討するのがおすすめです。グリームハブ株式会社では、今後も Google Workspace を中心とした業務効率化の最新動向を発信してまいります。
出典: