取引先の社内システムで、問い合わせメールの分類に claude-sonnet-4-5-20250929 を呼ぶ処理を保守している。廃止の通知メールが届いたが、いつまでに何を直すのか、どこで呼んでいるのかを把握しきれていない。この記事は、そうした場面(編集部の想定)にいる開発・保守の担当者に向けて、11月30日までにやることを整理します。
公式のモデル廃止ページによると、Claude Sonnet 4.5 は2026年9月30日に廃止予定(Deprecated)となり、Claude API での廃止(Retired)日は2026年11月30日です。推奨の移行先は claude-sonnet-5-5 です。モデルIDを書き換えるだけでは済まず、Sonnet 4.5 で通っていたリクエストの一部は Sonnet 5.5 で400エラーになります。
11月30日を過ぎると、リクエストは失敗する
モデル廃止ページの状態表では、Sonnet 4.5 は次のように載っています。
| モデルID | 状態(10月16日時点) | 廃止予定になった日 | 廃止日・目安 |
|---|---|---|---|
| claude-sonnet-4-5-20250929 | Deprecated | 2026年9月30日 | 2026年11月30日 |
| claude-sonnet-4-6 | Active | なし | 2027年2月17日より前ではない |
| claude-sonnet-5-5 | Active | なし | 2027年9月28日より前ではない |
| claude-haiku-4-5-20251001 | Active | なし | 2026年10月15日より前ではない |
| claude-haiku-5-5 | Active | なし | 2027年10月7日より前ではない |
公式の定義では、Deprecated は「まだ動くが推奨されない」状態、Retired は「利用できず、リクエストは失敗する(Requests to retired models will fail)」状態です。廃止予定のモデルは Active のモデルより信頼性が下がる可能性が高い(likely to be less reliable)との注意書きもあり、移行は早いほど安全です。
失敗時にどのHTTPステータスやエラー種別が返るかは、廃止ページにもエラーの解説ページにも書かれていません。呼び出しが失敗したら種類を問わず通知が飛ぶか、先に確かめておくことを勧めます。
この日付は Anthropic が運営する Claude API、Claude Platform on AWS、Microsoft Foundry のものです。Amazon Bedrock と Google Cloud は各社が独自に廃止日を決めます。 両社向けの Claude のページも Sonnet 4.5 を「deprecated」と表示していますが、廃止日は AWS と Google Cloud の資料で確認するよう案内しています(編集部は未確認)。
Haiku 4.5 は10月16日時点でも Active ですが、廃止の目安として示されている日付(10月15日より前ではない)をすでに過ぎているため、Sonnet 4.5 の移行先には向きません。

まず、Sonnet 4.5を呼んでいる箇所を洗い出す
公式の廃止ページは、利用状況の確認方法として Claude Console の Usage ページを挙げています。
- Claude Console の Usage ページを開く
- 「Export」を押す
- ダウンロードした CSV で、API キーごと・モデルごとの利用量を確認する
Sonnet 4.5 を使っている API キーが分かれば、そのキーを渡しているシステムや担当者までたどれます。
コード側では、日付付きのIDだけを探すと漏れが出ます。Claude API には claude-sonnet-4-5 という別名(最新の日付付きスナップショットを指す)もあり、Bedrock や Google Cloud では ID の形が変わります。
# リポジトリ全体から Sonnet 4.5 のモデルIDを探す(設定ファイル・テンプレートも対象)
grep -rn "claude-sonnet-4-5" .
この文字列で、日付付きIDと別名、Google Cloud の claude-sonnet-4-5@20250929、Bedrock の anthropic.claude-sonnet-4-5-20250929-v1:0(us. などの接頭辞付きを含む)のいずれにも当たります。
モデル名は、環境変数や CI/CD の変数、データベースに保存した設定値、ノーコードツールのノードにも入っていることがあります。Usage の CSV のキーと grep の結果を突き合わせ、片方にしか出てこないものを調べると見落としを減らせます。
Sonnet 5.5に替えると400エラーになる設定
Sonnet 5.5 の移行ガイドには、Sonnet 4.5 から移る場合の節(Migrating from Claude Sonnet 4.5 or earlier)があります。Sonnet 4.5 では受け付けられ、Sonnet 5.5 では400エラーになる主な設定を表にしました。
| Sonnet 4.5 で使っていた設定 | Sonnet 5.5 での扱い | 置き換え |
|---|---|---|
thinking: {"type": "enabled", "budget_tokens": N} | 400エラー | budget_tokens を外し、output_config.effort で調整 |
temperature・top_p・top_k の既定以外の値 | 400エラー | 外して、プロンプトで指示する |
| 最後の assistant ターンの先読み(prefill) | 400エラー | 構造化出力、system プロンプト、user メッセージへ移す |
tool_choice の any・tool(ツールの強制) | 400エラー | auto と strict: true のツール |
thinking: {"type": "disabled"} | 400エラー | {"type": "between_tools"}(effort は high 以下) |
output_format(ベータヘッダーなし) | 400エラー | output_config.format |
prefill のエラーは「This model does not support assistant message prefill. The conversation must end with a user message.」と返ります。出力を JSON に揃えるために { を先頭に置いていた処理は、構造化出力(Bedrock では Sonnet 5.5 の構造化出力が使えないため、プロンプトでの指示と自前の検証)に置き換えます。
Python SDK を v1.0 以降に上げる場合は、もう1つ注意点があります。廃止ページによると、この SDK では temperature・top_p・top_k がリクエストの型から外され、渡すと API に届く前に TypeError になります。
このほか、interleaved-thinking-2025-05-14 とコンテキストウィンドウ拡張のベータヘッダーは外し、fine-grained-tool-streaming-2025-05-14 はツールごとの eager_input_streaming: true に置き換えます。
Sonnet 5 から 5.5 への変更点(思考ブロック、computer use のツールセットなど)はClaude Sonnet 5.5に切り替える前に確かめることで整理しており、Sonnet 4.5 から移る場合も当てはまります。
エラーにならずに変わる、応答の形と費用
400エラーは試験ですぐに見つかります。注意したいのは、エラーにならずに結果が変わる点です。
思考が既定でオンになる。 Sonnet 4.5 では thinking を指定しなければ思考なしでしたが、Sonnet 5.5 では適応型の思考が動きます。応答の先頭に thinking ブロックが来ることがあり、content[0].text を決め打ちで読むコードは壊れます。ブロックは type で見分け、ツールのループでは thinking ブロックを変えずに送り返します。
max_tokens と effort を見直す。 思考と本文の合計が max_tokens に収まる必要があり、思考は出力トークンとして課金されます。Sonnet 4.5 には effort の設定がないため、明示して設定するよう求められています(Claude API の既定は high)。
同じ文章でもトークンが約30%増える。 トークナイザーが異なり、内容により約30%多くなります。画像は2000×1500でおよそ2.5倍です。
単価は Sonnet 5.5 のほうが下がります。
| 100万トークンあたり(USD) | Sonnet 4.5 | Sonnet 5.5 |
|---|---|---|
| 入力 | 3ドル | 2ドル |
| キャッシュの読み取り | 0.30ドル | 0.10ドル |
| 出力 | 15ドル | 10ドル |
ただし、トークン数の増加と思考の分の出力があるため、単価の比率どおりに請求額が下がるとは限りません。実際のリクエストで測り直します。考え方は安い新モデルが出ても、請求額は自動では下がらないで整理しています。
11月30日までの進め方
ここからは編集部の提案です。
- 呼び出し箇所を一覧にする。 システム・処理・API キー・担当者を表にし、Bedrock や Google Cloud 経由のものには各社の廃止日を書き添える
- モデルIDを設定値に寄せる。 直書きのIDを環境変数などに移し、問題が出たら戻せるようにする
- 400エラーになる設定を先に直す。 Claude Code では
/claude-api migrateでIDの置き換えや破壊的な変更の修正を補助できると移行ガイドは案内しています(編集部は未使用) - 同じ入力で結果と費用を比べる。 過去の問い合わせや文書で、出力の質・応答時間・トークン数を比べる。effort は2〜3段階で試す
- 段階的に切り替え、エラーを監視する。 11月30日より前に、Usage で Sonnet 4.5 の利用がゼロになったことを確かめる
移行先は Sonnet 5.5 が公式の推奨です。Sonnet 4.6(目安は2027年2月17日より前ではない)は budget_tokens やサンプリングのパラメーターを受け付けますが、prefill は400エラーになり、近いうちに再移行が必要になりそうです。Haiku 5.5 は量の多い処理向けで単価は低いものの、その移行ガイドは Haiku の旧モデルからの移行を対象にしており、budget_tokens・サンプリング・prefill は同じく400エラーです。分類のような処理で品質が足りるかを評価してから選びます。処理ごとのモデルの選び方は開発で「どのモデルに任せるか」をどう決めるかも参考になります。
公式ページは、一般公開モデルの廃止を少なくとも60日前にメールで通知するとしています。通知の受け取り手と保守の担当者が別なら、宛先を見直しておくと次の廃止にも間に合わせやすくなります。
確認した範囲
2026年10月13日に、Claude Platform のリリースノート(September 30, 2026)、モデル廃止ページ、Sonnet 5.5 と Haiku 5.5 の移行ガイド、料金ページ、モデルID解説、Amazon Bedrock と Google Cloud の Claude のページを確認しました(資料調査)。API の呼び出しや移行の試験、Console の Usage のエクスポートは行っていません。廃止後に返るエラーの種類、Amazon Bedrock と Google Cloud での Sonnet 4.5 の廃止日は確認していません。2026年10月16日に、モデル廃止ページの状態表とリリースノートを見直し、日付と状態が変わっていないことを確かめました。
社内システムの Claude API の移行や、モデルの切り替え前の評価の設計は、開発・AI・自動化のご相談からお問い合わせください。









