「社内研修の動画を作りたいけど、動画編集のスキルがない」「外注すると費用がかかりすぎる」——そういった声は、中小企業の経営者からよく聞きます。
2026年2月24日、Google はGoogle Vidsの大幅アップデートを発表しました。AIナレーション(音声ボイスオーバー)とAIアバターが日本語を含む7つの新言語に対応し、これまで英語環境に限定されていた機能が、日本語のまま使えるようになりました。
動画編集の専門知識がなくても、テキストを入力するだけでプロ品質のナレーション動画が生成できる時代が、Google Workspaceユーザーにとって現実のものになっています。
Google Vids とは
Google Vids は、Google Workspace に統合されたAI動画作成ツールです。2024年にGoogle I/Oで発表され、Google ドキュメントやスライドと同じように、ブラウザ上でシームレスに操作できます。
主な特徴は以下の通りです。
- Gemini 統合: スクリプト(台本)の作成から動画構成の提案まで、GeminiがAIアシスタントとして機能する
- スライド連携: 既存のGoogle スライドを読み込ませると、その内容をベースに動画を自動生成できる
- テンプレート: 製品デモ・社内報告・研修・イベント告知など、用途別テンプレートが豊富に用意されている
- ストック素材: 動画・画像・BGMのライブラリが内包されており、素材選びに手間がかからない
これらがすべてGoogle Workspaceのサブスクリプション内で利用できる点が、専用の動画編集ソフトやSaaSと比べた際の大きなアドバンテージです。
2026年2月のアップデート ― 日本語対応の詳細
今回のアップデートで特に重要なのが、AIアバターとAIナレーションの多言語対応です。
対応した7つの新言語は、日本語・スペイン語・ポルトガル語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・韓国語です(既存の英語に加えて)。
AIナレーション(ボイスオーバー)
スクリプトを入力すると、AIが自然な音声でナレーションを生成します。声のトーン・速さも選べるため、自社のブランドイメージや動画の目的に合わせた調整が可能です。日本語対応により、日本語のスクリプトをそのまま入力するだけで、日本語の音声ナレーションが生成されます。
従来の動画制作では「ナレーターへの依頼」「スタジオ収録」「編集」といった工程が必要でしたが、このプロセスが大幅に短縮されます。
AIアバター
AIが生成した人物アバターにスクリプトを読み上げさせる機能です。2Dアニメーション風のアバターが追加され、選択肢が広がっています。顔出しに抵抗のある担当者がいる企業、あるいはキャラクターで統一感を出したい場合に特に有効です。
アバターの映像生成には Google の動画生成AI「Veo 3.1」が使用されており、自然な表情・口の動きを実現しています。
展開スケジュール
- 即時展開(Rapid Release)ドメイン: 2026年2月24日より段階的に展開(最大15日)
- 計画的リリース(Scheduled Release)ドメイン: 2026年3月9日より完全展開(1〜3日)
中小企業が得られる具体的なメリット
研修動画の内製化によるコスト削減
社内研修や業務マニュアルの動画を外部の制作会社に依頼すると、数十万円〜数百万円のコストが発生します。Google Vids を使えば、人事・総務担当者が自らドラフトを作り、数時間〜1日以内に完成させることが可能です。
外注コストをゼロに近づけながら、更新頻度を上げられる点も実務的な強みです。制度改定や法改正があった際でも、すぐにマニュアル動画を差し替えられます。
情報共有のスピードと均質性の向上
口頭での説明や紙のマニュアルは、伝える人によって内容にバラつきが生まれます。動画化すると、全員が同じ内容・同じクオリティで情報を受け取れるようになります。
特に、複数拠点を持つ企業やリモートワークを導入している企業では、「拠点によって研修の質が違う」という問題を解消する手段として有効です。
動画編集スキル不要で始められる
Google Vids の操作感はGoogle スライドに近く、普段からGoogleのツールを使っている担当者であれば、ほぼ学習コストなしに使い始めることができます。
利用できるプランと料金
Google Vids はGoogle Workspaceのサブスクリプションに含まれています。2026年5月31日までは、以下のプランでも生成AI機能が利用可能です。
| プラン | 月額(ユーザーあたり) | AI機能 |
|---|---|---|
| Business Starter | 約750円〜 | 2026年5月31日まで利用可能 |
| Business Standard | 約1,470円〜 | 利用可能 |
| Business Plus | 約2,200円〜 | 利用可能 |
| Enterprise | 要問い合わせ | 利用可能 |
Business Starter は最も手軽に試せるプランで、メール・カレンダー・ドライブなどの基本機能に加えて、Google Vids が含まれます。
Google Workspace の導入からプラン選定まで詳しく知りたい方は、Google Workspace 導入完全ガイド【2026年版】をあわせてご参照ください。
社内研修動画の作り方 ― 基本的な流れ
Google Vids を使った研修動画作成の流れは大まかに以下の通りです。
1. スクリプトの作成 Geminiに「経費精算のフローを新入社員向けに説明するスクリプトを作って」と依頼するだけで、動画用の台本が自動生成されます。既存のドキュメントやスライドを読み込ませてスクリプトを生成させることも可能です。
2. テンプレートの選択 用途に合ったテンプレートを選び、会社のカラーやロゴを設定します。
3. AIナレーション / AIアバターの設定 スクリプトを入力し、ナレーションの声や言語(日本語)を設定します。アバターを使う場合はキャラクターと発話内容を紐づけます。
4. 素材の挿入・調整 スライドや画像、ストック動画を追加して、タイムライン上で微調整します。
5. 共有・公開 Google Drive での共有リンク発行、または動画ファイルとしてのエクスポートが可能です。
NotebookLM との組み合わせで情報整理から動画化まで一貫して対応
Google Workspace の中で、情報整理から動画制作まで一気通貫で進める方法もあります。
まずNotebookLMで複数のドキュメント・PDFを読み込み、研修コンテンツの骨子を整理します。その要点をGoogle Vids のスクリプトとして活用することで、情報のインプットから動画アウトプットまでのサイクルを大幅に短縮できます。
NotebookLMの最新機能についてはNotebookLM が大幅進化 ― インフォグラフィック・動画生成・スライド編集で詳しく解説しています。
導入前に確認すべき注意点
生成AI機能の利用期限 2026年5月31日以降、Business Starter / Enterprise Starter / Nonprofit プランでの生成AI機能(AIナレーション・AIアバター)の利用条件が変更される予定です。プランの変更や追加費用が発生する可能性があるため、Googleの公式情報を定期的に確認することを推奨します。
スクリプトの精度が成果を左右する AIナレーションの品質はスクリプトの質に直結します。Geminiでドラフトを作った後、人間による確認・修正を挟むことで、より正確で自然な仕上がりになります。
アバターの利用規約 生成されたアバターはあくまでAIが生成した架空の人物です。実在の人物に酷似したコンテンツを生成・公開することは利用規約で禁止されています。社内利用であっても、ガイドラインの確認が必要です。
まとめ
Google Vids の日本語対応により、AI動画作成ツールが「英語が得意でないと使いにくい」というハードルを越えました。
- 社内研修・マニュアル動画の内製化でコストを削減できる
- AIナレーション・AIアバターで録音・撮影なしに動画が完成する
- Google Workspaceのサブスクリプションに含まれているため、追加導入コストが不要
- 既存のスライドやドキュメントをそのまま活用できる
Google Workspace を使っていながら、まだGoogle Vids を試していない場合は、今が始めどきです。研修動画の内製化や、情報共有の仕組み化について相談したい方は、ぜひグリームハブにお声がけください。
Google Vids の活用方法や、Google Workspaceを使った社内DX推進について、無料でご相談を承ります。中小企業の業務効率化・コスト削減をトータルでサポートします。
無料相談はこちら参考情報
- Google Workspace Updates: AI avatars and AI voiceovers in Google Vids now available in seven new languages
- Google Vids の AI アバターと AI ナレーションが日本語に対応 | HelenTech
- Google Workspace Updates: Our best avatars in Google Vids yet, now powered by Veo 3.1
- Google Vids での Gemini 機能の提供状況について
- Google Workspace 料金プラン