.NET 8・.NET 9 のサポート終了 — 自社が該当するかと11月までの決め方 | GH Media
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.NET 8・.NET 9 のサポート終了 — 自社が該当するかと11月までの決め方

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.NET 8・.NET 9 のサポート終了 — 自社が該当するかと11月までの決め方

「うちの業務システムに、Microsoft から期限が近いという警告が出ているらしいんです。現場の担当がそう言ってきたんですが、正直、何のことか分からなくて」——従業員 30 名ほどの部品商社の社長さんから、こんな相談を受けました。受発注と在庫を管理している社内システムが「.NET」というもので動いているらしい、そのサポートが終わると聞いた、でもそれが自社にとってどれくらいまずいことなのか、誰に何を聞けばいいのかが分からない、と。前任の情シス担当が退職していて、社内に技術のことを判断できる人がいない、というのもよくある状況です。

これは他人事ではありません。.NET 8 と .NET 9 は、2026年11月10日にサポートが終了します。日本の中小企業でも、業務システム・社内ツール・Web アプリの多くがこの .NET 上で動いており、知らないうちに期限を迎えるケースが相当数あると見られます。本記事では、自社が該当するかの見分け方から、ベンダーへの確認の仕方、11月までに何を決めるべきかまでを、発注する側——つまり判断してお金を出す側の目線で整理します。技術の詳細を理解する必要はありません。決めるために必要なことだけを押さえます。

そもそも何が終わるのか

.NET(ドットネット)は、Microsoft が提供しているソフトウェアの開発・実行基盤です。業務システムや Web アプリの「土台」にあたるもので、この上でアプリケーションが動いています。土台にはバージョンがあり、それぞれサポート期限が決まっています。

今回終了するのは二つ。.NET 8 は2023年11月に出た LTS(長期サポート版)で、当初から3年サポートという約束でリリースされました。.NET 9 は2024年11月に出た STS(標準サポート版)で、サポート期間が24か月に延長されています。この二つが、そろって 2026年11月10日 に期限を迎えます。片方だけ新しいから安心、という話ではないのがややこしいところです。

サポートが終わると何が起きるか。ソフトウェアの更新、セキュリティ修正、技術サポートが停止します。とりわけ効いてくるのが セキュリティ修正の停止 です。期限後に新しい脆弱性が見つかっても、もう修正プログラムは出ません。つまり、穴が空いたまま塞がれない土台の上で業務システムを動かし続けることになります。すぐにシステムが止まるわけではないので危機感を持ちにくいのですが、時間が経つほどリスクは静かに積み上がっていきます。

Microsoft は、次の LTS である .NET 10(2028年11月までサポート) へのアップグレードを推奨しています。土台を新しい版に載せ替える、というのが基本方針です。

自社が該当するかをどう見分けるか

まず確かめるべきは「そもそも自社のシステムが .NET で動いているのか」です。ここは、社内だけでは分からないことが多い。判断の入り口として、次のような心当たりがないかを確認します。

  • 数年前に業務システムや社内ツールを外注して作ってもらった
  • Windows のサーバー上で動く社内システムがある
  • ベンダーから過去に「.NET」「C#」「ASP.NET」といった言葉を聞いたことがある
  • 現場から「更新してくださいという通知が出ている」と言われた

一つでも当てはまるなら、該当の可能性があります。ただ、当てはまらなくても安心はできません。自社では使っている土台の名前もバージョンも把握していない、というのが中小企業では普通だからです。だからこそ、心当たりの有無で自己判断して終わらせず、次のステップ——作った相手に直接聞く、に進むのが確実です。

冒頭の商社の社長さんも、「.NET かどうか」自体を社内では確定できませんでした。この段階で無理に社内で結論を出そうとするより、「該当するか分からない」という前提でベンダーに問い合わせるのが、いちばん早くて正確です。

ベンダー・委託先への確認の仕方

システムを作った会社や、保守を委託している会社があるなら、そこに聞くのが最短です。ただ「うちのシステム、大丈夫ですか」と漠然と聞くと、「問題ありません」と流されて終わったり、逆に不安を煽られて過剰な提案をされたりします。発注側が何を聞くべきかを持っておくことが、フェアな回答を引き出す鍵になります。最低限、次の点を文書(メールなど記録が残る形)で確認してください。

確認したいこと具体的な聞き方の例
使っている土台とバージョン「当社システムは .NET で動いていますか。動いている場合、バージョンはいくつですか」
今回の EOL に該当するか「2026年11月10日にサポート終了となる .NET 8 または 9 に該当しますか」
放置した場合のリスクと影響範囲「対応しない場合、どんなリスクがあり、どの業務に影響しますか」

回答が「該当する」だった場合は、続けて 移行にかかる工数の目安、影響範囲、必要なテストの範囲、想定スケジュール を聞きます。ここで具体的な金額まで即答を求めるより、まずは「どれくらいの規模の作業になりそうか」の感触をつかむのが目的です。金額は案件によって大きく変わるため、正式には個別の見積もりを取ることになります。見積もりの読み方や相見積もりの取り方そのものに不安があるなら、システム開発の外注で失敗しない発注ガイド で発注側が押さえるべき点を整理しています。

なお、すでに作った会社と連絡が取れない、保守契約が切れている、という状況もよくあります。その場合は別の会社にシステムを見てもらって現状を診断することになりますが、これは日々の保守運用をどう続けるかという話とも地続きです。維持にかかる費用の考え方は 業務システムの保守費用ガイド を合わせて読むと、判断の土台になります。

11月までに決めること

該当が分かったら、11月10日までに方針を決めます。放置という選択肢は、リスクを承知で先送りしているだけなので、実質的には次の三つから選ぶことになります。

ひとつめは 移行(アップグレード)。土台を .NET 10 のような現行のサポート対象版へ載せ替える方針です。多くの場合、これが本筋です。特に .NET 8 から .NET 10 へのアップグレードは、世代が近いこともあり比較的スムーズに進みやすいと一般に言われます。ただし「載せ替えれば自動で終わり」ではなく、載せ替えたあとに各機能が問題なく動くかの検証(テスト)は必ず必要です。ここを省くと、本番で不具合が出ます。

ふたつめは 延命。事情があってすぐ移行できない場合に、期限後もしばらく現状のまま使い続ける判断です。ただしこれは「セキュリティ修正が出ない土台を使い続ける」ことと同義で、リスクを抱えたまま時間を稼ぐ選択にすぎません。取引先からセキュリティ要件を求められている、個人情報を扱っている、といった会社では、後述するコンプライアンス面でも苦しくなります。あくまで移行までのつなぎと位置づけ、いつまでに移行するかの期限もセットで決めるべきです。

みっつめは 作り直し。システム自体が古く、機能面でも現場に合わなくなっているなら、この機会に作り直す判断もあります。土台の載せ替えだけで延命しても、そもそも使いにくいシステムを使い続けることになるなら、投資として微妙です。長く使ってきて操作性や業務との噛み合わせが悪くなっているなら、古い業務システムの使い勝手を立て直す視点 も踏まえて、単なる技術更新と作り直しを天秤にかけるといいでしょう。

判断の軸は、システムの今後の寿命と、放置した場合のリスクの重さ です。あと数年で役目を終えるシステムなら移行で十分ですが、この先も長く基幹として使うなら、この機会に足場を固め直す価値があります。

放置のリスクは「止まる」より「守れない」

最後に、なぜ期限を軽視できないのかを、発注する側の言葉で押さえておきます。サポートが切れても、システムは翌日から動かなくなるわけではありません。だからこそ「まだ動いているから大丈夫」と先送りされがちです。しかし本当のリスクは、止まることではなく 守れなくなること にあります。

セキュリティ修正が止まった土台は、時間が経つほど既知の穴が増えていきます。そこを突かれれば、顧客情報や取引データの漏えいにつながります。とりわけ、改正個人情報保護法が求める「安全管理措置」の観点では、サポートの切れた基盤を使い続けること自体が、講じるべき対策を怠っていると見なされかねません。取引先から情報セキュリティの体制を問われる場面も年々増えており、「サポート切れの土台で基幹システムを動かしている」状態は、取引条件を満たせない理由にもなり得ます。

つまりこれは、単なる技術更新の話ではなく、事業を続けるうえでのリスク管理です。11月という期限が切られている以上、「該当するか分からない」で止めず、まずは自社が対象かどうかをはっきりさせる。判断はそこから始まります。

開発・移行のご相談

自社のシステムが .NET で動いているのか、該当するとして移行・延命・作り直しのどれが妥当なのか、社内だけでは判断がつかない——これは技術の問題というより、事業判断の材料が足りていない状態です。グリームハブでは、業務システムの現状診断から、.NET のバージョン確認、移行の進め方や作り直しの是非まで、発注する側の立場に立って整理するお手伝いをしています。特定のやり方を売り込むためではなく、御社にとって何がいちばんリスクと費用のバランスが取れるかを、率直に一緒に考えます。役務は案件ごとの個別お見積りとなります。「うちは該当するのか」を確かめるところからで構いませんので、お問い合わせからお気軽にご連絡ください。11月までに動きを決めるための、最初の一歩をご一緒します。

Sources

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記事を書いた人

鈴木 翔

鈴木 翔

技術の可能性に魅了され、学生時代からプログラミングとデジタルアートの分野に深い関心を持つ

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