
順位表を見る限り、悪くなっていません。主要なキーワードで 5 位前後を保っている。それなのに、サイトへの流入が前年より細っている。Search Console の表示回数を見ると、順位はそのままで表示回数だけが減っている。
この現象に、ひとつ具体的な数字が出ました。Productrise が 2026年8月9日から31日にかけて 200万件を超える商品リスティングを追跡した調査で、同じ日に同じ検索語で、通常の検索結果には平均 27.8 件の商品が並ぶのに対し、AI Mode に並ぶのは 3.9 件でした。両方に載る商品は 1 件に満たない(0.94 件)という結果です。
順位が落ちたのではなく、並べる場所が狭くなっています。
「21.6% 高い」は何を意味していたか
同じ調査で話題になったのは価格のほうでした。同一商品が同日に両方の面に出たとき、AI Mode 側に表示される価格は平均で 21.6% 高い、という数字です。
誤解されやすいのですが、これは Google が価格を上乗せしているという話ではありません。調査を行った側の説明では、通常検索の商品カルーセルが最安値を優遇するのに対し、AI Mode では最安値であることがランキングの要因になっていないという違いによるものとされています。同じ商品でも、AI Mode は必ずしも一番安い店を引いてこない、ということです。
面全体で見ると、AI Mode に出る商品の価格の中央値は 149 ドル、通常検索では 100 ドルでした。これは同一商品の比較ではなく、それぞれの面が「どういう商品を並べているか」の差です。
自社サイトの立場で読み替えると、示唆はふたつになります。
| 従来の前提 | AI検索で起きていること |
|---|---|
| 最安値を出せば拾われやすい | 最安値であることが決め手にならない |
| 上位 20〜30 件に入れば露出がある | 枠が数件しかなく、入れるかどうかの勝負になる |
価格で勝つ戦い方が効かなくなる面
この変化がいちばん重いのは、価格を主要な武器にしてきたサイトです。
数十円安く出すことで比較サイトの上位に載り、そこから流入を得ていた形は、並ぶ枠が 3〜4 件になった時点で成立しにくくなります。同じ商品を扱う店が数百あるなかで、価格以外の理由で選ばれる材料をサイト側が持っているかが、そのまま露出の差になります。
一方、価格を出していない B2B のサイトにとっては、話が少し違います。商品リスティングの調査結果がそのまま当てはまるわけではありませんが、「並ぶ枠が減り、選ばれる基準が変わる」という構造は共通です。制作会社の選定でも、システム開発の発注先探しでも、AI が要約して数社を挙げる形が増えれば、10社が並んでいた画面が 3社になります。

サイト側でできることと、できないこと
できないことから先に整理します。AI Mode に出るかどうかを、サイト側の設定で直接指定することはできません。 「AI検索対策」として設定を売られたら、その内容が具体的に何を変えるものかを確認してください。
できることは、機械が読める形で情報を置くことに集約されます。
- 価格・在庫・型番・提供条件を、本文の文章だけでなく構造化データとして持たせる
- 一次情報を自社サイトに置く。他社の記事を引き写した内容は、引用元として選ばれない
- 会社名・サービス名と、それが何であるかの説明が、1 ページ内で完結して読めるようにする
3 番目は地味ですが効きます。要約する側は、複数ページをまたいで文脈をつなぐより、1 ページで完結している説明を引きやすい構造にあります。AI が読み取れる状態になっているかを確認する観点は、この形の整備と重なります。
検索面そのものの変化についてはAI Mode が検索とサイト流入に何をもたらすかで扱っています。今回の調査は、その変化に初めて規模の大きい実測値が付いたものと位置づけられます。
構造化データは「入れた」で終わらせない
構造化データを入れているつもりで、実際には読める形になっていないサイトがあります。よくあるのは次の 3 つです。
価格が画像の中にある。 料金表を画像で作っていると、人間には読めますが機械には読めません。表として組むか、少なくともテキストで併記する必要があります。
在庫・提供状況の記述が本文だけにある。 「現在受付中」と本文に書いてあっても、構造化データ側に反映されていなければ、機械には最新かどうかが判断できません。
入れたきり検証していない。 サイトを改修した際に構造化データの出力が壊れることは珍しくありません。Search Console の拡張レポートで、エラーが出ていないかを定期的に見るのが最低限の運用です。
B2B のサイトで商品リスティングを持っていない場合でも、会社の所在地・提供サービス・問い合わせ先といった基本情報が機械可読になっているかは同じ観点で確認できます。
次にやること
自社の主要なキーワードを 3 つ選び、AI Mode と通常の検索結果の両方で実際に検索してください。並んでいる件数を数えて、自社が入っているかを確認します。
入っていない場合に最初に見るべきは、順位ではなく、自社サイトに「そのキーワードに正面から答えている 1 ページ」があるかどうかです。 複数ページに散っている説明は、要約の材料として選ばれにくくなります。
サイトの構造がAI検索の前提に耐えるか、どのページから整備すべきかについては、グリームハブのHP制作・リニューアル相談で承っています。扱っている商材と現在の構成によって打ち手が変わるため、お問い合わせからご相談ください。




