退職したら会社のファイルが開けない — マイドライブ依存をやめる | GH Media
URLがコピーされました

退職したら会社のファイルが開けない — マイドライブ依存をやめる

URLがコピーされました
退職したら会社のファイルが開けない — マイドライブ依存をやめる

「退職した営業担当のアカウントを規定どおり削除したら、その人のマイドライブにあった見積テンプレートと過去の提案書がまとめて消えていた。復元しようにも所有者がもういない」——引き継ぎは済んだつもりだったのに、実際にはファイルの置き場所まで引き継げていなかった、という話です。会社の大事な資料が個人のマイドライブに置かれていると、その人が辞めた瞬間に会社の資産が失われます。

これは「うっかり」ではなく、Google ドライブの所有権の仕組みを知らないまま使うと構造的に起きる問題です。前回の容量が足りなくなる話がコストの問題だとすれば、こちらは事業継続の問題です。本記事では、なぜマイドライブ依存が危ないのか、何をどう移すのか、移行で事故らない急所を整理します。

マイドライブは「個人の持ち物」— 人が抜けると道連れになる

マイドライブに置いたファイルは、作成した個人が所有者です。他の人と共有していても、所有者はあくまでその個人。所有者のアカウントが削除されると、共有されていたファイルもアクセスできなくなり、最終的に失われます。つまり「共有しているから大丈夫」は誤解で、共有と所有はまったく別なのです。

この状態が続くと、二つの困りごとが必ず出ます。一つは冒頭のような退職時のファイル消失。もう一つは属人化——「あの資料はAさんのドライブにある」が積み重なり、誰がどこに何を置いたか会社として把握できなくなります。担当が休んだだけで必要なファイルが開けない、という日常的な停滞もここから生まれます。

共有ドライブは「会社の持ち物」— 担当が変わっても残る

これを解決するのが共有ドライブです。共有ドライブに置いたファイルは、所有者が個人ではなく組織(会社)になります。メンバーを追加・削除しても中身はドライブに残り、誰かが退職しても会社の資産として維持されます。マイドライブとの違いを整理すると次のとおりです。

マイドライブ共有ドライブ
ファイルの所有者作成した個人組織(会社)
所有者が退職・削除されたらファイルも失われる会社に残る
向いている用途個人の下書き・一時作業部署・チームで共有する正式な資料

判断はシンプルで、「会社として残すべき資料」は共有ドライブ、「自分の作業中のメモや下書き」はマイドライブ、と役割を分けます。契約書・見積・提案書・議事録・各種テンプレートなど、担当が変わっても使い続けるものは共有ドライブが原則です。

何を、どう移すか — フォルダと権限をセットで設計する

いきなり全ファイルを移すと現場が混乱します。効果が大きく被害も出やすい「退職で消えたら困るもの」から着手します。進め方の目安は次のとおりです。

  1. 部署・業務単位で共有ドライブを作る(「営業」「経理」「制作」など、粗すぎず細かすぎない粒度)
  2. 各共有ドライブに、誰がどこまで操作できるかの権限ロールを決める(閲覧のみ/コメント/編集/管理)
  3. マイドライブにある「会社として残すべきファイル」を、該当する共有ドライブへ移動する

権限ロールの設計は、緩すぎると情報漏洩、厳しすぎると業務停滞につながるため、共有ドライブの権限ロールを参考に、役割に沿って最小限で割り当てます。外部との共有が絡む場合は、ドライブ共有設定のルールも同時に見直しておくと安全です。

移行で事故る急所

移行そのものにも落とし穴があります。まず所有権の移管。単にコピーすると所有者が移らず、元のマイドライブが消えれば同じ問題が再発します。ファイルは「移動」して所有権ごと共有ドライブへ移すのが正解です。次にリンク切れ——資料内やメールに貼った共有リンクが、移動でURLが変わり切れることがあります。頻繁に参照されるファイルは、移動後にリンクの貼り直しが必要かを確認します。最後に、大量移動は一度に走らせると失敗しやすいので、部署ごとに区切って段階的に進めるのが安全です。

会社の資料が個人のドライブに散らばっている、退職のたびにファイルを探し回っている、共有ドライブをどう区切ればいいか分からない——そうした状況であれば、グリームハブの Google Workspace 運用支援・IT 相談へお気軽にご相談ください。フォルダ設計と権限ロールの整理から、業務を止めない段階移行までご一緒に設計します。

Sources

URLがコピーされました

グリームハブ株式会社は、変化の激しい時代において、アイデアを形にし、人がもっと自由に、もっと創造的に生きられる世界を目指しています。

記事を書いた人

鈴木 翔

鈴木 翔

技術の可能性に魅了され、学生時代からプログラミングとデジタルアートの分野に深い関心を持つ

関連記事

「Google Workspace」の記事一覧を見る