AIが薦めた会社は誰が選んだのか — 21万ページの「おすすめ」量産サイト | GH Media
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AIが薦めた会社は誰が選んだのか — 21万ページの「おすすめ」量産サイト

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AIが薦めた会社は誰が選んだのか — 21万ページの「おすすめ」量産サイト

「うちの規模に合う予約システムを教えて」とAIに聞いて、返ってきた3社を候補にする。ここ1年で、発注検討の入口がこの形に変わった会社は多いはずです。検索結果を10件開いて読み比べるより速く、しかも比較表まで付いてきます。

ただ、その比較表の出どころを確かめた人はほとんどいません。AIは「良い会社」を知っているわけではなく、「引用しやすいページ」を読んでいるだけです。そして今、その引用先に何が置かれているかが問題になっています。

3サイトで21万ページ、すべて同じ型

ある調査が、AIの推薦に使われているソースをたどりました。見つかったのは gitnux.org、wifitalents.com、worldmetrics.org の3サイト。この3つが合わせて 215,128ページの「◯◯ソフトのおすすめ」型ページを機械的に生成していました。

3サイトは無関係な別々の運営体に見えますが、調べると重なります。

  • ドメインはいずれも同じレジストラで、2023年12月〜2024年5月の間に取得されている
  • ページのテンプレートが共通している
  • DNS が同じネームサーバーに委任されている

つまり実質は同じ仕組みから吐き出された同じ型のページで、それが検索結果の一角ではなくAIの引用元として機能しているわけです。

規模感を示す数字もあります。Perplexity のソフトウェア推薦を380カテゴリにわたって調べたところ、7,534件の引用のうち 59.8%が、ドメインの人気度ランキングで10万位より下のサイトに向かっていました。名前を聞いたことがないサイトが、回答の根拠の過半を占めている状態です。

検索で人が読み比べる経路と、AIが引用元を選ぶ経路で、量産された比較ページがどこに入り込むかを示した図

なぜ人間向けの評判より先に読まれるのか

不思議に思えるかもしれません。実績のある比較メディアや、業界紙の記事があるのに、なぜ無名のページが引かれるのか。

理由は品質ではなくにあります。量産型のページは、AIが答えを組み立てるのに都合の良い形で書かれています。カテゴリ名がURLに入り、見出しが質問文と一致し、順位つきのリストがあり、各項目に短い説明が付く。人が読むには薄いが、引用する側にとっては切り出しやすい

一方、専門性の高い記事ほど、前提や例外を丁寧に書きます。読めば価値がありますが、「上位5つを挙げて」という要求に対しては切り出しにくい。この非対称が、そのまま引用の偏りになっています。

これは新しい現象というより、AI Overview が出典リンクをどう扱うかで見えていた構造の延長です。答えを作る側の都合が、情報の選ばれ方を決めています。

発注検討側:AIの回答を「候補リスト」までにする

では、調べる側はどうすればよいか。AIを使うなと言っても現実的ではないので、使い方の線を引くのが実務的です。

AIの回答は候補を集める段階までに限る。 3社に絞る材料としては使い、決める材料としては使わない。ここを分けるだけで、量産ページの影響はほぼ消えます。

出てきた社名を、AIを使わない経路でもう一度確認する。 法人番号、所在地、実績ページ、公開されている制作物。AIが挙げた根拠ページではなく、その会社自身が出している一次情報を見に行きます。

「なぜこの3社なのか」をAIに聞き返す。 引用元のURLを挙げさせると、量産型のページかどうかは1分で判別できます。同じテンプレートの薄い比較記事ばかりが並んでいたら、その回答は候補リストとしても弱い。

最終的に見るべき点は、AI以前から変わっていません。Web制作会社の選び方で見積もり比較のどこを見るかは、そのまま使えます。変わったのは、候補が集まる経路にノイズが増えたことだけです。

引用される側:薄いページで並ぶ勝負はしない

自社サイトを持つ立場からは、逆の問いになります。「AIに引用されるにはどうすればいいか」。

ここで量産型を真似るのは筋が悪い手です。同じ型のページを100本作っても、21万ページ持っている相手と同じ土俵に立つだけで、しかもその土俵はいつ足元から崩れてもおかしくありません。AI側が量産ソースの評価を下げる調整を入れた瞬間、投資が丸ごと消えます。

現実的なのは、自社しか出せない一次情報を、切り出しやすい形で置くことです。

置くもの量産ページが持てない理由
自社で実測した数値・作業時間・費用の内訳元データがないため生成できない
実際の案件で起きた失敗と、その対処経験が必要で、テンプレートから出てこない
導入・移行の手順を、前提条件つきで書いたもの前提を書くと汎用テンプレートが成立しない

そのうえで、llms.txt などAI向けの案内をどう扱うかを整えると、読み取られる確率が上がります。順序が逆になると意味がありません。中身が先、形式が後です。

次にやること

自社の商材名を1つ選び、生成AIに「おすすめを5つ挙げて、根拠のURLも出して」と聞いてみてください。出てきたURLを3つ開き、運営者情報のページまでたどれるかを確認します。 たどれないサイトが半分を超えるなら、その領域では量産ページが引用の主役になっています。

自社が挙がっていない場合も、慌ててページを増やす必要はありません。まず、上の表にある「自社しか出せない情報」が、いまサイト上にいくつ載っているかを数えるところからです。

サイトの情報設計をAI経由の流入まで含めて見直したい、リニューアルにあわせて一次情報の置き方を整理したいといったご相談は、グリームハブのHP制作・リニューアル相談で承っています。現在のサイト構成によって打ち手が変わるため、お問い合わせから個別にご相談ください。

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記事を書いた人

鈴木 翔

鈴木 翔

技術の可能性に魅了され、学生時代からプログラミングとデジタルアートの分野に深い関心を持つ

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