「デザインの好き嫌い」で社内が揉めてサイト制作が止まる会社へ — 発注前に決めておく“サイトの狙い”の言語化 | GH Media
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「デザインの好き嫌い」で社内が揉めてサイト制作が止まる会社へ — 発注前に決めておく“サイトの狙い”の言語化

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「デザインの好き嫌い」で社内が揉めてサイト制作が止まる会社へ — 発注前に決めておく“サイトの狙い”の言語化

「サイトを新しくしようと社内で動き始めたんですが、トップの色はどうする、社長の写真は載せるのか、この見出しは硬すぎる……と、みんなの『好み』がぶつかって、もう半年止まっています。制作会社に頼む以前の問題で、社内がまとまらない」——地方で長く続く卸売業の経営者から、こんな相談を受けました。サイト制作が止まる原因の多くは、技術でもデザインの優劣でもなく、「何のために作るのか」を言葉にしないまま見た目の話を始めてしまうことにあります。

見た目の議論は、答えが「好きか嫌いか」しかないため、いくらでも紛糾します。逆に「このサイトで達成したいこと」が言葉になっていれば、色や写真は「その目的に合うか」で判断でき、好みの衝突はぐっと減ります。本記事では、制作会社に依頼する前に発注者側で決めておくべき「狙いの言語化」を、丸投げしないための準備として整理します。制作会社そのものの選び方はWeb制作会社の選び方にまとめていますので、依頼先選びで迷っている段階ならそちらが先です。

なぜ「デザインから」始めると揉めるのか

制作の相談で最初に出てくるのが「どんなデザインにするか」であることは、実はとても自然です。サイトは目に見えるものなので、誰でも意見を言える。ところがこの「誰でも意見を言える」がそのまま落とし穴になります。

目的が共有されていない状態では、デザインの良し悪しを測る共通のものさしがないからです。ある人は「同業他社より洗練されて見えるか」で見て、別の人は「自分の好みに合うか」で見て、社長は「昔からの取引先が違和感を持たないか」を気にする。全員が別々のものさしで採点しているので、いつまでも一致しません。

まともな制作会社は、この状態のまま手を動かしません。ブランドの狙いをデザインの方向性へ翻訳する作業、いわゆるキックオフを最初に行い、「このサイトは誰に何を感じてもらうためのものか」を先に固めます。逆に言えば、発注者がこの狙いを持っていないと、制作会社は毎回ゼロから引き出すことになり、その分の時間と費用が乗る。準備は、そのまま見積もりにも効いてきます。費用の内訳の見方はホームページ制作の費用相場で解説しています。

発注前に自社で言葉にしておく四つのこと

制作会社に渡す前に、社内で次の四つを一枚にまとめておくだけで、その後の進行はまるで変わります。専門用語は要りません。自分たちの言葉で構いません。

第一に、このサイトで達成したい一番のこと。「問い合わせを増やす」「採用の応募を増やす」「既存客への信頼を保つ」——複数あってよいですが、順位を付けます。すべてが一位だと、結局デザインの判断基準になりません。

第二に、見てほしい相手は誰か。新規の見込み客か、採用の応募者か、既存の取引先か。相手が違えば、正解の見た目も変わります。「誰に見せても良い感じ」を狙うと、誰にも刺さらないサイトになります。

第三に、見た人にどう思われたいかを、三つ程度の言葉で。「堅実」「話しかけやすい」「技術力がある」といった形容詞です。これが後で色や写真、文章のトーンを判断する共通のものさしになります。冒頭の「この色は古い」という議論も、「私たちは堅実に見られたいのだから、この色でいい/良くない」と、目的に照らして決着できます。

第四に、今のサイトの何が不満かを具体的に。「古く見える」ではなく「スマホで見ると問い合わせボタンが押しにくい」「事業内容が3クリックしないと分からない」のように、症状で書きます。作り直しの目的が曖昧なまま進めると失敗しやすいのは、リニューアル全般に言えることで、コーポレートサイトのリニューアルガイドでも触れています。

この準備が、費用と品質の両方に効く

「そこまで自分たちで決めるなら、制作会社に頼む意味がないのでは」と思われるかもしれません。逆です。狙いを発注者が言葉にしているほど、制作会社は本来の専門性——それを形にする力——にリソースを集中できます。デザイナーは「堅実で話しかけやすい印象を、この業種の見込み客に」という明確な注文に対して、プロの引き出しから最適な形を提案できる。狙いが曖昧なままだと、その力は「そもそも何がしたいのか」を探る前工程に費やされてしまいます。

結果として、この準備は三つの効果を生みます。社内のデザイン論争が「好み」から「目的への適合」に変わって止まらなくなること。制作会社への説明が一度で済み、手戻りが減って費用が膨らみにくくなること。そして納品後に「思っていたのと違う」が起きにくくなること。

発注者の立場での結論

サイト制作でいちばんお金と時間を溶かすのは、凝ったデザインでも高い技術でもなく、「何のために作るのか」が曖昧なまま見た目の議論に入ってしまうことです。色や写真を選ぶ前に、「達成したい一番のこと・見てほしい相手・どう思われたいか・今の不満」の四つを自社の言葉で一枚にまとめる。これだけで、社内はまとまり、制作会社は本領を発揮でき、費用も読みやすくなります。

とはいえ、この「狙いの言語化」自体を自社だけで整理するのが難しい、という声も多くいただきます。何を達成したいサイトなのかを引き出すところから、制作・リニューアルまで一緒に進めたい場合は、その最初の言語化のお手伝いから承れます。まず相談の前に頭を整理したい方は、Web制作会社の選び方費用相場にも目を通しておくと、話がスムーズです。

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記事を書いた人

鈴木 翔

鈴木 翔

技術の可能性に魅了され、学生時代からプログラミングとデジタルアートの分野に深い関心を持つ

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