サイボウズ・Microsoft 365 から Google Workspace へ — 中小企業の移行判断と手順 | GH Media
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サイボウズ・Microsoft 365 から Google Workspace へ — 中小企業の移行判断と手順

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サイボウズ・Microsoft 365 から Google Workspace へ — 中小企業の移行判断と手順

「使っているサイボウズのパッケージ版が、来年でサポート終了だと販売店から連絡が来た。このまま延長するのか、別のものに乗り換えるのか、正直どう決めればいいか分からない」——先日、社員三十人ほどの製造業の総務担当の方から、こんな相談を受けました。長く使ってきた道具ほど、切り替えの判断は重く感じられます。しかも「乗り換え先」を選ぶだけでなく、これまで溜めてきたメールや予定、掲示板の情報をどう持っていくのかまで考えると、途端に腰が引けてしまう。よく分かります。

背景には、サイボウズ Office のオンプレミス(パッケージ版)が2026年9月末に販売終了、翌2027年9月末にサポート終了という区切りがあります。ここで多くの会社が、サイボウズのクラウド版へ移るか、Microsoft 365 か Google Workspace へ乗り換えるかの三択に直面します。本記事では、Google Workspace への移行を軸に、判断の物差しと、メール・データ移行の具体的な注意点を扱います。「なんとなく大変そう」を、確認すべき項目のリストに落とすのが狙いです。

そもそも「乗り換えるべきか」をどう決めるか

まず、移行ありきで話を進めないことです。現状維持で困っていないなら、無理に動く必要はありません。判断の軸はシンプルで、「サポート終了後もそのまま使い続けるリスクを、会社として許容できるか」に尽きます。サポートが切れた製品は、脆弱性が見つかっても修正されず、情報漏洩の入口になり得ます。ここを許容できないなら、動く時期を自分たちで決められる今のうちに検討するのが得策です。

乗り換え先を選ぶときの物差しは、次のように整理すると迷いにくくなります。

重視すること向いている選択肢補足
いまの使い勝手をできるだけ変えたくないサイボウズ クラウド版操作の学習コストが最小
Excel・Word・PowerPoint 中心の業務Microsoft 365Office 製品との親和性
AI活用・Gmail・低い運用負荷を重視Google Workspaceブラウザ完結で管理がシンプル

Google Workspace が向くのは、特定のソフトに縛られず、ブラウザだけで完結する運用にしたい会社です。Microsoft 365 とどちらが自社に合うかは、既存の業務がどれだけ Office ファイルに依存しているかで変わります。両者の違いはGoogle Workspace と Microsoft 365 の比較で詳しく扱っていますので、選定段階の方はそちらもあわせてご覧ください。

メール移行がいちばんの山場 — 「先に登録、あとで切替」

移行作業で最も神経を使うのがメールです。ここでの鉄則は、DNS の MX レコード(メールの宛先を決める設定)を切り替える前に、旧環境で使っていたメールアドレスを、すべて Google Workspace 側にユーザーまたはグループとして先に登録しておくことです。順番を逆にすると、切替直後に届いたメールが宛先不明で弾かれ、取引先からの連絡を取りこぼす事故につながります。

過去のメールそのものの移行には、Google が提供する移行ツールを使います。Microsoft 365(Exchange)からであれば、メール・カレンダー・連絡先を管理者側でまとめて移せる専用ツール(Google Workspace Migration for Microsoft Exchange)が用意されており、各社員に作業を任せずに済みます。さらに2026年5月には、Microsoft 365 のユーザー情報を Google Workspace 側へ自動で取り込む機能のベータ提供も始まりました(当初は少人数分から)。こうした仕組みは日々広がっているため、着手前に「いま自社の移行元に対して何が使えるか」を公式の最新情報で確認するのが安全です。

旧グループウェアから Google Workspace へ、メール・予定・データを段階的に移す流れを示した図

サイボウズ特有の「掲示板・カスタムアプリ」をどうするか

Microsoft 365 からの移行が比較的道具の揃った作業なのに対し、サイボウズからの移行で悩ましいのは、メール以外のデータです。サイボウズには掲示板、スケジュール、独自に作り込んだアプリ(在庫管理や日報など)が溜まっていることが多く、これらは「そのまま Google Workspace の同じ機能に流し込む」というわけにいきません。

現実的な進め方は、データを性質で仕分けることです。スケジュールや連絡先は標準の移行手段に乗せる。掲示板やファイルは、必要なものだけを Google ドライブや Google サイトへ移し、古い情報は思い切って持っていかない。そして、サイボウズ上で作り込んだ業務アプリは、Google Workspace 側で何に置き換えるかを個別に設計する——ここは移行というより作り直しに近い判断になります。「全部そのまま移す」を目指すと工数も費用も膨らむため、使っていないものを移行の機会に棚卸しするのが、結果的にいちばん安く済みます。

移行後の初期設定を「移すこと」と同じくらい重視する

無事にデータを移せても、初期設定を詰めきらないまま全社に開放すると、別のトラブルが待っています。共有ドライブの権限が緩すぎて誰でも全部見られる、管理者が一人しかいない、外部との共有ルールが曖昧、といった状態です。移行のプロジェクトでは「移すこと」に意識が集中しがちですが、移した先をどう安全に使い始めるかまでが移行です。

具体的には、組織の部署構成にあわせた権限設計、管理者を複数人に分けておくこと、外部共有の初期ルールを決めておくことを、全社展開の前に済ませておきます。導入時に押さえるべき初期設定はGoogle Workspace 導入の完全ガイドに一通りまとめてあります。また、移行を機に不要なライセンスを見直すと費用が下がることも多く、その観点はライセンスコストの最適化で扱っています。

まず「移行元」と「持っていくデータの範囲」を確定する

グループウェアの移行は、身構えるほど一枚岩の作業ではありません。分解すれば、乗り換えるかの判断、メールの安全な切替、メール以外のデータの仕分け、移行後の初期設定という四つの局面に分かれます。最初にやるべきは、自社の移行元(サイボウズなのか Microsoft 365 なのか)を確定し、そのうえで「何を持っていって、何を捨てるか」の範囲を先に決めることです。ここが決まると、必要な移行ツールも工数の見当もつきます。

範囲を欲張らず、いま本当に使っている情報だけに絞る。これが、中小企業の移行を無理なく着地させる最大のコツです。

自社がどの選択肢に向くか、サイボウズの作り込みアプリをどう置き換えるか、メール切替を止めずに進める段取りをどう組むか——判断に迷う点があれば、グリームハブのIT・Google Workspace 無料相談からご相談ください。移行元の棚卸しから、持っていくデータの範囲決め、切替当日の段取りまで、御社の環境にあわせてご一緒します。

Sources

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記事を書いた人

鈴木 翔

鈴木 翔

技術の可能性に魅了され、学生時代からプログラミングとデジタルアートの分野に深い関心を持つ

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