「Google から『AI Ultra Access は提供を終了します』というお知らせが管理者宛てに来たのですが、うちは何かしないといけないんでしょうか」——Google Workspace を使う会社の総務担当から、こんな問い合わせを受けました。専門用語が並んだ通知は、放置していいのか、急いで対応すべきなのか、判断がつきにくいものです。
Google Workspace で高度なAI機能を使うための「アドオン(追加オプション)」が、2026年に構成変更を迎えています。上位版だった「AI Ultra Access」は新規購入ができなくなり、7月7日以降にアカウントから順次削除され、「AI Expanded Access」へと一本化されていきます。契約中の会社は基本的に自動で移行されるため、慌てて何かを止める必要はありません。ただ、この通知は「そもそも自社は、誰に、どのAI機能を、いくらで付けているのか」を棚卸しする、またとない機会でもあります。本記事では、管理者・発注者の目線で今見直すべきことを整理します。
そもそも「AIアドオン」とは何か
Google Workspace の基本料金には、メールやカレンダー、ドライブといった定番機能が含まれます。これに対して、Gemini アプリでの高度な画像生成(Nano Banana Pro)や動画生成(Veo 3.1)、より深い推論をたくさん使うといった踏み込んだAI機能は、追加のアドオンで解放する仕組みになっています。それが「AI Expanded Access」です。2026年3月1日以降、こうした高度なAI機能をより多く使うには、このアドオンの購入が必要になりました。
つまり、AIアドオンは「電気の基本契約に対するアンペアの追加」のようなものです。基本のままでもAIは少し使えますが、本格的に回すには容量を足す。その容量の足し方に、これまで「Expanded(拡張)」と、さらに上の「Ultra(最上位)」の二段階がありました。今回、上位の Ultra Access が畳まれ、Expanded Access に集約されるわけです。前回ご紹介したGemini Notebook(旧 NotebookLM)の高度な機能も、こうしたアドオンの有無で使える範囲が変わります。
Ultra Access 契約なら「自動移行」だが、確認はする
いま自社が AI Ultra Access を契約している場合、Google 側が自動的に AI Expanded Access へ移し替える流れになっています(早めに自分で切り替える、または解約する選択も可能)。したがって、何もしなくてもサービスが突然ゼロになるわけではありません。ただし、放置してよいかは別問題です。管理者として、次の三点だけは確認しておくべきです。
| 確認すること | なぜ必要か |
|---|---|
| 自社が今どのAIアドオンを契約しているか | 移行の対象かどうかが分かる |
| 誰(どのアカウント)に付いているか | 使っていない人に払っていないか |
| 移行後に使える機能・料金がどう変わるか | 予算と現場の期待のズレを防ぐ |
一つ目と二つ目が特に大事です。AIアドオンは、往々にして「とりあえず全員分」で契約が始まり、その後見直されないまま費用だけが続いていることがあります。今回の構成変更は、その契約内容を管理コンソールで棚卸しする自然なきっかけになります。Gemini 同梱の値上げを含めた総コストの見直し方はライセンスコスト最適化の記事で詳しく扱っています。
「全社員に配る」前に、誰に何が要るかを決める
構成変更を機に立ち止まって考えたいのは、「高度なAI機能は、本当に全社員に必要か」という点です。画像や動画の生成、深い推論を日常的に使うのは、多くの会社では一部の職種に偏ります。企画・マーケや、資料を大量に作る部門には効く一方、定型作業が中心の部署では宝の持ち腐れになりがちです。
現実的な進め方は、まず「AIを本格的に使う数名」に絞ってアドオンを付け、効果を見てから広げることです。全員に一律で配るより、費用対効果がはっきりします。どの Workspace のプランで Gemini を入れるかという土台の判断はGemini のプラン選択の記事、社内でのAIの使い方のルールづくりは中小企業のAI利用ルールの記事を合わせて読むと、全体像が掴めます。
事例: 通知を機に「全員分」を見直して費用を抑えた会社
社員三十五名ほどのデザイン関連の会社(社名は伏せます)で、AI Ultra Access を全員分契約していました。今回の終了通知を受けて相談があり、管理コンソールで実際の利用状況を確認したところ、高度なAI機能を日常的に使っていたのは、制作チームの数名に集中していました。
そこで、自動移行で全員が AI Expanded Access に移るのを待つのではなく、この機に契約を「実際に使う人数」に合わせて見直しました。効いたのは難しい設定ではありません。通知を放置せず、誰が本当に使っているかを一度確認したこと。それだけで、使っていない席のぶんの費用を止められ、浮いた予算を制作チームのより上位の活用に回せました。AIアドオンは、入れるか入れないかの二択ではなく、「誰に付けるか」で費用も効果も大きく変わります。
まず管理コンソールで「今の契約」を棚卸しする
AI Ultra Access の終了と AI Expanded Access への一本化は、契約中の会社にとっては自動で進む変更で、急いで何かを止める必要はありません。けれども、この通知を「よく分からないから放置」で終わらせるのは惜しい。高度なAI機能を、誰に、いくらで付けているのか——多くの会社が一度も棚卸ししていないこの点を見直す、絶好のきっかけだからです。着手するなら、まず管理コンソールで今のAIアドオンの契約内容と、実際に使っている人を確認してください。
Google からのAI関連の通知が何を意味するのか分からない、全社員に配ったアドオンを見直したい、誰にどのAI機能を付けるべきか迷っている——そうしたお悩みがあれば、グリームハブのIT・Google Workspace 無料相談からお気軽にご相談ください。契約の棚卸しから、費用と効果の合う配り方まで、御社の使い方にあわせてご一緒します。