対面の商談もMeetが議事録にする — 机に置いたスマホが記録装置になる前に | GH Media
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対面の商談もMeetが議事録にする — 机に置いたスマホが記録装置になる前に

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対面の商談もMeetが議事録にする — 机に置いたスマホが記録装置になる前に

取引先を訪問しての打ち合わせで、相手が具体的な要望を話し始める。手元でメモを取ろうとすると視線が下がり、会話のテンポが落ちる。かといって聞くことに集中すると、帰社した頃には数字と固有名詞があやふやになっている。

営業や上流の打ち合わせを担当している人なら、この二択に何度も遭遇しているはずです。オンライン会議では自動で議事録が作られるようになったのに、いちばん重要な話をしている対面の場だけが手作業のまま残っていました。

2026年8月、Google Meet の自動議事録が対面の会議にも対応しました。会議室でスマートフォンを机に置けば、そこで交わされた会話が要約とタスク一覧になってドライブに保存されます。使う側から見れば待望の機能ですが、管理する側から見ると事情が違います。

何が起きるのか、手順で見る

利用者の操作はごく単純です。

  1. スマートフォンまたはブラウザで Meet を開く
  2. ホーム画面の「メモを取る」を押す
  3. 記録が始まり、会話が取り込まれる
  4. 打ち合わせが終わったら停止を押す

停止すると、Gemini が要約・タスクの一覧・全文の書き起こしをまとめた Google ドキュメントを生成し、ドライブに自動保存したうえで、開始した人にリンクをメールで送ります。オンライン会議の議事録と同じ形式のものが、対面の会話から出てくるということです。

展開は Android が2026年8月11日から、ウェブ版が8月14日以降、iPhone と iPad 向けが8月31日以降と案内されています。対象は Business Standard / Business Plus、Enterprise Standard / Enterprise Plus、Frontline Plus など、オンライン会議の自動議事録が使えるプランと同じ範囲です。

対面会議での操作から議事録がドライブに保存されるまでの流れを示した図

管理者が「許可した覚えがない」まま使える

ここが管理する側にとって重要な点です。

この機能は既存の Google Meet の議事録設定にぶら下がっており、新しく有効化する項目はありません。 つまり、オンライン会議の自動議事録を許可している組織では、対面会議の記録も同時に使える状態になっています。管理コンソールで何かを承認した覚えがなくても、社員のスマートフォンにはボタンが出ています。

新機能が増えたのではなく、すでに許可していたものの適用範囲が、社外の会議室や喫茶店にまで広がったと捉えるのが正確です。オンライン会議は自社のドメインで完結する場が多いのに対し、対面の打ち合わせは相手先の建物で行われることが多い。適用範囲が広がった先は、自社の管理が及ばない場所です。

会議の人数による切り分けについてはMeetの自動メモを「3人以上」に絞る設定で扱いましたが、対面の記録は利用者が自分で開始するものなので、そちらの条件とは別の話になります。オンライン会議の側で人数のしきい値を設けても、対面の記録はその外側で始まります。設定を絞ったから安心という判断は、この機能が来た時点で成立しなくなりました。

オンライン会議と決定的に違うこと

Meet のオンライン会議で議事録が作られているとき、参加者の画面には記録中であることが表示されます。全員が同じ画面を見ているので、伝わる仕組みが会議の中に組み込まれている状態です。

対面ではそれがありません。机の上に置かれたスマートフォンが記録しているかどうかは、画面を覗き込まない限り分かりません。 気づかせる役割は、機能ではなく人が担うことになります。

実務上、これは三つの場面で問題になります。

  • 取引先との商談 — 相手企業の規程で会話の録音が制限されていることがあり、断りなく記録すると契約上の問題になり得る
  • 採用面接 — 応募者は立場上「録らないでください」と言いにくい
  • 社内の面談 — 評価や労務の相談で、記録されていることを知らずに話した内容が文章として残る

いずれも「録音が違法かどうか」ではなく、相手が知らないまま記録されたという事実が後から出てきたときに、関係が壊れるかどうかの問題です。技術の設定では防げないので、ここは運用で決めるしかありません。

社内ルールに落とすときの最小構成

細かい規程を作り込むと運用されないので、まず次の三点だけ決めるところから始めるのが現実的です。

一つ目は、始める前に口頭で伝えることを必須にする。 「記録を取らせていただいてよろしいでしょうか」の一言を、社外の打ち合わせでは省略しない。断られたら使わない、という単純な運用にします。

二つ目は、記録してはいけない場を名前で決めておく。 採用面接、評価面談、労務相談、懲戒に関する面談。判断に迷わせないよう、種類で列挙します。

この二つ目について補足すると、判断を担当者に委ねる書き方にしないことが重要です。「機微な内容を含む場合は使用しない」と書くと、何が機微かの判断がその場に発生します。会議の種類で列挙しておけば、判断は不要になります。 迷う余地を残さないほうが、結果として守られます。

三つ目は、生成されたドキュメントの共有範囲を初期状態で狭くしておく。 対面の記録は開始した本人のドライブに入るため、そこから先は通常のファイル共有と同じ管理になります。個人のマイドライブに商談の全文書き起こしが溜まっていく状態は、退職時の引き継ぎでも情報管理でも扱いにくくなります。マイドライブから共有ドライブへの整理と同じ考え方を、この記録にも適用しておくのが無難です。

なお、参加者リストに載らない外部の議事録ツールが同席している可能性については、AI議事録ツールの棚卸しで扱った確認が別途必要です。今回の機能は Workspace の中で完結しますが、社員が個人で入れたツールはその外側にあります。

次にやること

自社が Google Meet の自動議事録を許可しているかどうかを、管理コンソールで確認してください。許可している場合、対面会議の記録もすでに使える状態です。 使っていいかどうかを社内で決めていないなら、決める前に使われ始めているということになります。

そのうえで、営業担当者に一言聞いてみるのが早い確認になります。「訪問先の打ち合わせで、スマホに議事録を取らせたことはあるか」。ある、という答えが返ってきたら、そのときに相手へ断りを入れたかどうかまで確認してください。ここが揃っていない状態が続くと、いずれ取引先から指摘される形で表面化します。

会議記録の適用範囲の設計、社外での記録に関する社内ルールの整備、生成されたドキュメントの保管先の見直しについては、グリームハブのIT・Google Workspace 無料相談で承っています。業種や取引先との契約内容によって求められる水準が変わるため、個別にご相談ください。お問い合わせからどうぞ。

Sources

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記事を書いた人

鈴木 翔

鈴木 翔

技術の可能性に魅了され、学生時代からプログラミングとデジタルアートの分野に深い関心を持つ

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